ぷん

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのぷんのレビュー・感想・評価

3.7
ドラクエ5のCG映画、じゃなかった

山崎貴監督作品で唯一抜きん出て奇抜だなと思った作品です

この作品は国民の、いやドラクエファンの逆鱗に触れたわけだが、何がそうさせたのか
私が提示するリメイク物の方程式がここでも利用できる

・前作と比べて,大事なビジュアルや要素に大きな変化をさせないこと
・ストーリーのプロットも基本的には前作と同じで現代版にアレンジすること
・映像の質が現代で作る最高品質であること
こな三つの条件さえクリアできれば、観客から最低限のラインの評価はもらえる

この作品は上三つを残念ながら全てクリア出来ておらず、酷評という結果になってしまったと感じる

また、大きな原因としてラストシーンの一点が反感を買ってしまった
ただこの問題のシーンの捉え方がほとんどの人が認識を間違えてるのでここで訂正をしたい
まず大前提として間違っていることを言ってるのは悪側なのだ
「ゲームは全てプログラムなのだから現実を見ろ」
これに対し主人公の台詞が
「プログラムだとしても僕にとっては現実だった」
と反論し、悪側を打ちのめしているので
山崎貴が言いたいのは主人公側の台詞なのである、追い討ちで副題としてユアストーリーって言ってるしね
基本的に物語で主人公が倒すべき悪がいたとしたら、悪側の意見は物語の相反する意見を言ってるものである

ただ、今回に関しては見せ方が悪かったことは否めない
メタ的なシーンは一般客層には難しい構成ではあるし、なにしろドラクエファンがいるなかでやるべきではなかったかなと個人的には思う
エヴァや実写版進撃の巨人、スターウォーズep8などのメタ要素の利用例はあるがことごとく一般客層には評判が悪い
このシーンの意図を読み取れなかった結果がこのレビュー欄となっている

ただ、今回の脚本はかなり考え抜いた結果だったらしく、山崎貴監督のただ普通の映画にするのだったら映画化する意味はないと思ったのかもしれないが、それが裏目に出てしまった、普通に何の捻りもない方が良かったのかもしれない

ただそれまでの流れは良かったのではないだろうか?CGはどこかディズニーぽいがアクション要素はてんこ盛りだし登場人物の動きも気持ち良かった、モンスターもしっかり再現されてるし、しっかり伏線を張っていたり、物語の展開も飽きることは無いし特段突っ込む要素はなかったと思う、唯一言えば、ドラクエのゲームらしさ、鳥山明のキャラクターではなってることくらい
個人的にはビアンカもフローラも可愛かった

この作品を世間の評判通りに叩くのは簡単だが意図を汲み取ってあげると少し見方が変わる作品だと思うので、逆に映画好きな人が見るのがオススメかもしれない

架空であってもプログラムであっても自分を支えた作品は現実として受け止め、自分を変えたんだ!という拘りが見えた、ちょっと人間味を感じる不思議な作品
ぷん

ぷん