さとう

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーのさとうのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまり期待しないで観た。ドラクエは通ったけどそこまで夢中になってやったわけじゃないし。

始まりからド王道ストーリー。問題があって、解決して、スカッとして、次の問題に立ち向かって。キャラクターたちもすごく作り込まれていて、仕草や表情が可愛らしかったり、クスッと笑えたり、思ったよりもずっと画面で楽しめた。背景やカメラワーク?も美しくて迫力があって、なにより、そっか、ドラクエの世界を中から見たらこんなふうに景色って見えるのか!という発見とワクワク。あれはすごかった。

ほんほん、思ったより楽しかったなー!と思いながら見てた終盤、突然のどんでん返し。めちゃくちゃ怖かった。あの無機質なビジュアルもそうだし、なにより突然「こちら側」に話しかけられる気味の悪さ。主人公が、リュカから突然「わたし」だったのだと突きつけられる。自己回想。これまでゲームをやってきた人だけに限らず、種々様々なエンターテイメントという「虚構」に救われてきた人間たちを肯定する言葉たち。ありがとう、と思わず泣いていた。

最後、打ち上がる花火が、印象的だった。ゲームの中の彼らにとっては、祝福と新たな世界の始まりのファンファーレ。だけど、わたしたちにとっては、もちろんそれはおめでとうの音ではあるけど、この世界は終わりで現実世界に戻らなきゃ、という合図。「これからアルスも成長していくしね」というビアンカの言葉が切なかった。

でもやっぱり見終わったあと1番に思い返したのは、あの「現実」が突然出てきた恐怖感。現実ってこんなにも恐ろしい、と苦しくなった。

「仮面ライダー」の映画でも思ったけど、アニメ系の映画、最近メタ的要素や入れ子構造挟むの流行ってんのかな。面白いけど心臓に悪い。でもそのたびエンタメのキラキラを再確認させられる。

たけるは最初こそ「たっけるー!!!」て感じだったけど途中から完全に「リュカ」として見ていたのでやっぱり最高だった。
さとう

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