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ダウト-嘘つきオトコは誰?-のLEGIONのレビュー・感想・評価

2.0
主人公が婚活パーティーで寄って来るいろんな男性の嘘を見抜く物語。男性が寄って来るからといってなぜ主人公は選ぶ側にいると思い込んでるのか。男性にとっては主人公以外にも候補の女性はいるはず。普通なら良さそうな男性に選ばれようと努力するはずだが主人公は「誰にしようか」と選ぶ側に立っていることに終始疑問になってしまった。それだけ自分の性格やルックスが良いと思い込んでるのか。彼氏に振られて婚活に参加してるんだから自分に足りない物ぐらいわかるはず。謙虚さが全く見えず経験を成長に繋げない人が主人公でとても見づらかった。
男の人はほとんど嘘をついているがその大半は主人公に嫌われないための嘘。それを言われるまで気付くことができないのは相手の気持ちを汲み取ろうとする意思がないから。相手を思いやらない自分主義者が幸せになろうとする姿を見るのは気分が良いものではなかった。
主人公は男の〇〇という事実を知った時に「その〇〇が嫌なのではなく嘘をつかれたことが嫌だ」と発言してた。けれど主人公は「この〇〇!」とも発言をする。この発言は少なくともその〇〇に偏見を持ってるからでてくる言葉であってその事実になんとも思わないならそんな発言はでないと思う。つまり嘘が嫌なのでなく嘘でコーティングされた事実が嫌いだったということになる。人間らしいけどあくまで映画では主人公の人格をそのように描いてないので映画が滅茶苦茶になってるように感じた。
最後に選択した男には流石に納得ができなかった。登場する男性の中でもトップクラスの怖さがあり彼がやっていたことはほぼストーカーに近いと思う。(以後ストーカー男と呼びます)みんな自分のためについた嘘と気づいたのにストーカー男を選択するということはやはり他の人の〇〇という事実に偏見を持っているからだろう。
主催者はなぜ主人公に寄ってきたいろんな男性の中一人だけ運命の相手だと教えたのだろう。自分で嘘を見極めるためと言ってるが見極める力がどう役に立ったのか。男性たちの嘘が何のためのものかも主催者が結局教えてるし、主人公自身から成長できたことは何もないと思う。主催者は「幸せは自ら掴むもの」と似たニュアンスの発言をしていたけど、だとしたら「運命の相手がこの中に一人だけいる」という発言は幸せの手助けをしてしまってるように感じたので主催者は何がしたいのかわからず勝手に苛立ってしまった。
結局主人公も嘘をついているというこの映画の全体を崩してしまうストーリー構成。「嘘」をテーマとして扱ってるのにストーリーに意外性がなく内容が薄っぺらい。もう少し工夫が見られると楽しめたと思う。
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