lastpanzer

ビッグ・マグナム77のlastpanzerのレビュー・感想・評価

ビッグ・マグナム77(1976年製作の映画)
4.0
ダーティハリーやらフレンチコネクションやらに便乗して70年代に雨後の竹の子の如く量産されたマカロニ刑事もの(イタリア製刑事アクション)の中でもキャスト(豪華)、ロケ地(カナダのモントリオール)、アクション(色々とスゴイ)共に突出したインパクトがある佳作。

妹の死に疑問を抱き、執念の捜査を繰り広げる鬼刑事役に「素晴らしきヒコーキ野郎」とかに出ていた気がするスチュアート・ホイットマンがヒーロー的格好良さ皆無な「がんばる普通のオジサン」を好演。非常にもっさりしたアクションの数々は人間離れしたヒーロー刑事の対極にあり、良く言えばリアリティがある。

脇を固めるのは燃えるドラゴンの一発屋にしてゴミ映画の常連ジョン・サクソン、スパイ大作戦&刑事コロンボなどの常連マーティン・ランドー、サンゲリアでおなじみティサ・ファローとB級好きには夢のような布陣。

この魅力的なキャストが織りなすのは2時間ドラマにも劣るショボい殺人事件を巡るサスペンス。でも合間にオカマ三人組との意味不明な格闘や、モントリオール地下鉄での追跡、そして本作の最大の目玉である市内でのボコボコカーチェイスが適度に挿入されるので不思議と飽きない。盲人、小人、オカマなどを随所に入れてくるのが如何にもイタリア的不謹慎さで楽しい。そしてアルマンド・トロバヨーリのジャジーな音楽が最高、サントラ必聴です。
lastpanzer

lastpanzer