マクガフィン

影に抱かれて眠れのマクガフィンのレビュー・感想・評価

影に抱かれて眠れ(2019年製作の映画)
2.3
序盤からサングラスを離さない松本利夫に身構えてしまう。 単館系作品にもLDHがちょくちょく参入する邦画の現状が、作品の悲哀以上にのしかかる。原作未読。

ブツ切りカットだけではなく、会話のやり取りや、会話のリアクションの度にカットを割る、不誠実なカット構成。枯淡な主人だが、病で末期の女の体に入れ墨を入れたりする、女の外面と内面の痛みも理解できないので、死生観もイマイチに。また、キャバの女は置き去りで、女同志の対比になっていなく、配置と演出に疑問。男の理想と都合がミックスされた女の杜撰な扱いは、この手のテイストではお馴染みに。時代背景も薄く、ご都合主義で説明過多なので、何が何だか。

兎に角、丁寧な積み重ねが無いのに、ノスタルジック・ハードボイルドなテイストを音楽と背景で、無理に演出し過ぎに。演技的にはまだまだだが、男優陣の若旦那と大仰だったがAK-69の雰囲気が良く、経験を積んで抑えた演技ができれば、ピエール瀧の後釜候補に期待したい。