くろいひと

グレース・オブ・ゴッド 告発の時のくろいひとのレビュー・感想・評価

3.6

カトリックの聖職者による児童性的虐待を、三人の被害者を主人公にしてえがく。

「ドキュメンタリータッチのフィクション」という作品はたくさんあるが、本作は「フィクションタッチのドキュメンタリー」という言葉こそふさわしい。
オゾンらしいたくらみはほとんどないが、彼一流のセンスある美しい映像は健在。

カトリック文化圏にない者にとっては違和感のある「告解」というシステムに代表される、謝れば赦されるということそのものが糾弾されている。
踏みにじられ壊されたものの突き放した提示とともに。
くろいひと

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