ダイセロス森本

アガサのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

アガサ(2018年製作の映画)
4.3
妊婦を集めた修道院で行われているある”事”。主人公は妊娠したものの彼と別れることになりこの場所に身を寄せるが、どうも何かがおかしい。薬を飲まされ、支配され、次第に虐待を受け、洗脳されていく。
メアリーという名前を「アガサ」と名乗らなければいけなくなる彼女はいよいよこの施設のおかしさを知り逃亡を図るが…
取り敢えずすごいのがなぜ妊婦を集めているのか、出産させる身体をいたわるどころかめちゃくちゃに虐待するシスターたちの目的は何なのかが分かった時のおぞましさ。そして無茶苦茶に気持ち悪いメンツ。

正直これほど気持ちの悪い映画みたことないっていうレベルで上手に作られていたのでお見事としか言えない。なんというか、こんな発想ができてしまう人が怖い。アイデアを生む人たちを恐れるレベル。

へその緒も怖いけど痛いグロいシーンが多くて、彼女のフラッシュバックなんてへでもないぐらいの勢いで色々起きるので見ていて飽きない。
どう終わるのかがすごく気になる映画で、ハラハラしながら見れたけど、やっぱり女性として映画を見ると、しんどすぎてどうしようもない。もぞもぞしてしまう。
ここまで女性を痛めつけて、しかも女性が痛めつけている映画は初めて。
正直もうほかの映画がどうでもいいぐらいこれは記憶に残る。

つわりで吐きそうになり立ち上がる女性に向かって「食事中に立ち上がるのは許されていない」と言い放つシスター、吐く女性、そして「私たちは食べ物を粗末にしない。いまそのテーブルにあるものも食べ終わったら席を外していいでしょう」と普通の顔で言い放つあのシスターの狂気がすごかった。

見ておいて損はない映画。