このレビューはネタバレを含みます
えっと…これ大傑作じゃないですか。
もっと早く観れば良かった…。
映画やドラマの、「非リアは負け組」、「女の幸せは結婚して子どもつくること」、「結局最後は恋に落ちる親友or幼なじみ」、こういった描写にうんざりしている人に観て欲しい。
テーマ的に重たいしつらいんだけれども、ノンストレスの優しい映画。
近年(といってもここ一年くらい)映画のある描写にモヤモヤすることが多くなったんです。例えば、アラジン(実写)のジーニーとダリアの恋、最終的に結婚して子どももいるイエスタデイの主人公2人、スターウォーズ9のレイとベンのキス。
数年前だったら私もなんの疑問も持たなかったしモヤモヤもしなかったはず。
だけど今は違う。
それだけが幸せの形じゃないでしょ?
恋人がいなくてもかわいそうじゃないし、男女は必ずしも恋に落ちるわけじゃない(男女の友情は成立する)、結婚することが偉いわけじゃない、子どもを作ることだけが幸せの形じゃないの。
世の中にはそういう作品で溢れているからそれだけが幸せの形なんだって思いがち。
親戚にいつ結婚するの?とか、子どもは作らないの?とか聞かれてうんざりしている人もいるはず。
私の親も、私はいつか結婚して子どもを産むと思っている。それが普通なんだって。
私もちょっと前まではそれが普通なんだって思ってた。
でもよくよく考えたらそれって必ずしも幸せの正解ではないよね?幸せの形の一つの例ってだけ。
この映画の主人公達みたいに、結婚しなくても、子どもを産まなくてもいいんだよね。
それで自分がいいならそれでいいんだ。
恋人がいない人のことを「非リア」と呼ぶけれど、何様?って感じよね。恋人がいるとリアルが充実してる?ふざけんな。
私は今恋人いないし、いたこともないし、だからといって焦ってもない。これから出会うかもしれないし、出会わないかもしれない。それでいい。
(そもそもこれまでの人生で誰かを好きになったことないしな🤔)
この映画の主人公2人は、そこそこのおじさんなのだけれど、恋人はいないし、結婚もしていないし、子どももいない。でも誰もその事を責めたりはしない。優しい世界。
もっとこういう映画が増えればいいのになぁと思う。