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君こそがすべてのtomtomのレビュー・感想・評価

君こそがすべて(2016年製作の映画)
3.1
元カノに押し付けられた娘を養うためにスタントマンをしているチラリは、実は高い所も痛い思いも苦手な小心者。ビルの12階から飛び降りたり、カタパルトで吹っ飛ばされたりして稼いだお金を使い、なるべく子供に寂しい思いをさせまいと努力している。しかし、そんな父娘のもとに、蒸発したはずの母親がインテリの再婚相手と共に現れ...

最初はトルコの映画ということもあり、ギャグコードの面でうまくハマらないところもあったけれど、実はもっと普遍的な親の愛をテーマにした作品だった。自分も20代の終わりに差し掛かって考えるのは、いざ親になると人生の色々な部分を見直さなければいけなくなるだろうな、ということ。主人公である父親は急な展開にも関わらず、娘にありったけの愛情を注ぎ、人生を180度切り替えることになる。それは、フラフラと暮らしていたまるでダメな男が、人として何か尊いものに成長していく過程でもある。

それに比べて母親とは言え、8年も経ってヒョイと現れ、いきなり親権を主張するというのは、身勝手過ぎやしないか。チラリが不憫になる一方で、子供に対する思いを見ていると、父娘両方がとても羨ましくもなる。設定としても分かりやすく、あまり共感できない人のいない映画ではないかと思った。もう少し色々な人に見てもらいたい。
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