どらみ

ワン・セカンド 永遠の24フレームのどらみのレビュー・感想・評価

4.6
チャン・イーモウだからと観に行ったのだが
めちゃくちゃ良かった、沁みた~

瞬きするフィルムが織り成す
光と影が紡ぎ出す映画に熱狂した時代
娘が映る1秒が観たい男と
弟を護る為フィルムが欲しい少女の邂逅

映写機が回り軋む音
広大な砂漠
フィルム、思想、家族…失われたものたちの記憶

映画愛、人間愛とユーモアに満ち
初めて映画に触れた日の興奮が蘇る

チャン監督がイーモウ・ガールと呼ばれる女優選びの基準
独特の雰囲気
目力
女優として、まっさらな状態である事
本作デビューのリウ・ハオツンの精錬な魅力
チャン監督の教えを守り
むやみにCMやドラマに出ずしっかり演技レッスンに励んだそう
安く消費されてしまわない様にという監督の想いが感じられる
彼女の今後にも期待山盛り

検閲が厳しい中国
実は1秒間の娘は事故で亡くなっている設定は省かれたそうだ
又ラストの2年後の描写も追撮されたそう

チャン監督は、映画愛や人間同士の愛情を描きつつ
文革の不条理な悲劇はきっちりと描きたかったのだろうと感じた
どらみ

どらみ