ワンコ

ワン・セカンド 永遠の24フレームのワンコのレビュー・感想・評価

4.0
【新聞の切れ端に包まれたもの】

ものすごく大切だと思っていたものでも、見当たらなくなって、でも、自分の記憶のなかに止まっているから、構わないやなんて思えるものは結構あったりする。

離婚した時に、捨てられた可能性が高く、行方不明になったバックパッカーしてた時の写真なんかは実はそうだ。

僕の写真が歴史的な記録になるなんてことだったら一大事だけれども、もう、何十年も昔のことでも、僕は、あの頃、感じた感動を鮮明に記憶している。

それに、僕の友人とは逆で、僕は昔ながらアルバムとか、そうしたものを開くことは、ほぼない。

まあ、言っちゃ悪いが、友人が中学や高校時代の写真をスマホに取り込んで、送ってくるのを眺めて、人生の終焉じゃあるまいしと、意地悪を言いたくもなる。

まあ、だから、この映画では、新聞紙の切れ端に包まれたフィルムのカットが無くなるのだけれど、新聞紙を大切に取っておいて、何もないのに渡された時に、包まれていたのは”気持ち”なのだと思った。

これは、これからの2人の未来を明るくするものなのだと思った。

ちょっと大げさで、苦笑しちゃうところもあったけれど、特に、最後が素敵な作品だった。
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