ふっかー

ニューヨーク 親切なロシア料理店のふっかーのレビュー・感想・評価

4.2
うーん、やっぱり女性も男性も表情が豊かな人は魅力的に見えます。柔らかな感じがいい。

原題はThe kindness of strangers
"見知らぬ人の優しさ"
原題の方がシンプルで伝わるけどなあ。

その見知らぬ人への優しさについて考える。
今の自分に何ができるか。特別すごいことはできない。ならば笑顔でひと声掛ける優しさならできるのでは。たったそれだけですが。
でも自分から発する。自分から与える。例えば知らない店員さんや係の人へ。本作のように気に入ったお店の常連客になってもいい。客はサービスを受ける側とか、人から貰おうとばかり考えてちゃダメです(笑)

顔見知りの店員さんなら「元気ですか?」とか「忙しいですね」。知らない店員さんでも目を見て「ありがとうございます」や「お疲れさまです」は言える。
その場の状況を考えて迷惑にならない程度に。相手の反応によっては自分も嬉しいですし。嫌そうだったらその人には今後はしなければいいだけのこと(逆に常連客になって親しくなったら、時には差し入れだってありです)。

そんなわずかな時間の言葉のやり取りや継続したつながりに、もしかしたら生きる希望やささやかな幸せがあるかもしれない。もちろんお客や店員さんにもほっといてほしい人はいるでしょう。だけどこの先、人とのつながり無しではより苦しくなるかもしれません。知らない人だからとコミュニケーションを取らないのはもったいないです。


劇中の女性看護師のアリス。
激務な仕事の中でも空き時間のボランティアでも、優しく他者への思いに溢れていた。そんな心根の優しい人こそが、幸せになってほしいと願わずにはいられません。

厳しい現実の中、今を生きるのに必要な優しさや希望、赦しがテーマの作品です。
ふっかー

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