のすけ

ペトルーニャに祝福をののすけのレビュー・感想・評価

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
3.4
不思議な映画。結構どうでもいい内容なのだが、次の展開が気になり観てしまう。
見終わった最終的な感想もたいしたことないのだが、でもなんか悪くなかったかなと思える作品。
話しとしては主人公の自己中心的な暴走というだけで大した中身はない。
でもこういう人ってほんと身近にいそう。エゴの塊。親もズレている。
評価は本来他人がするものだが、何もしていないのに自己評価だけ高い。
自分を信じるのは良いことだが、いつもどこか外的要因のせいにしているので、人として未熟なまま32歳に。
結局最後は自分にとって恋の予感という幸せが訪れたから笑顔であれを返したわけで、ずっと根底にあったのは「私にだって幸せになる権利はある」という思想であり、それがあそこまで引かずに傲慢にいくとやりすぎであって、主人公の稚拙な面が際立つ。
記者が出てくるのでミスリードされるが、ジェンダーやら何やら複雑なことを描いた訳ではなく、何か深い意味がある作品でもなく、シンプルに、身近にいなそうで実はいそうな一人の大人の内面と、それに掻き回される世間の妙を描ききった作品と言える。
そのシンプルさに気付くと、逆に面白い作品だったと思える。