ペトルーニャに祝福をの作品情報・感想・評価

「ペトルーニャに祝福を」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

『ペトルーニャに祝福を』観賞。仕事もず家で怠惰に過ごしていたペトルーニャ。就職先の面接で面接官からセクハラやモラハラに遭い更に気持ちは鬱屈に。何かに縋るような想いで帰路につくが、道中ふと目にした十字架像を取り合う儀式に参加しなんと十字架を手にしてしまう。地方局のテレビも取材に来ており、このイベントが彼女の人生の転機に。何も持っていなかったペトルーニャが「何か価値をあるもの」を手にしてしまう。
しかし、儀式には伝統的に男性しか参加しておらず信者たちからは返還の要請が。それに加えテレビ局のリポーターは「なぜ女性ではダメなのか」とフェミニズム的視点からこの事件を盛り上げる。事件はペトルーニャの預かり知らぬところで肥大化していった。
しかしこの事件をきっかけに今まで溝のあった母親との対話や神父との議論、若い警察官との出逢い等を経て精神面が徐々に変化していく。最終的に私にはこれは必要ないと十字架を返却するペトルーニャ。何かに「縋る」のではなく自らの足で歩む、幸せを掴もうとする姿で物語は終わる。
北マケドニア映画、と言えば『ハニーランド』ですね。それに比べると割と退屈だったかも。
風味や

風味やの感想・評価

3.9

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「これ、いらない。あなたや彼らは必要だろうけど」という最後のセリフが痛快だった。

宗教上の規則は法律でも何でもないのに、その規則を破ったからといって、一人の人間を拘束するのが果たして法治国家なのか。

5人の女性の顔を連続で写したシーンが印象的だった。ペトルーニャや記者のように男が優遇される社会がおかしいと思って戦った者。女性として生きたペトルーニャの友達や母。路上でタバコを吸う女性。この5人を映像で並べることはどういう意味を持つのだろう。

原題が「神は存在する、彼女の名前はペトルーニャ」となっているのに、邦題が「ペトルーニャに祝福を」になっているのはなぜだろうか。邦題では、ペトルーニャが置かれていた状況がすでに幸せではなかったということが念頭に置かれているのだろうか。しかし、それは傲慢であろう。彼女の生をこちら側の尺度で測って、さらに幸せにしてあげたいという魂胆がみえてしまうこの邦題は、映画の内容を矮小化させてしまうのではないか。
夢生

夢生の感想・評価

3.5
北マケドニアが舞台という事ですが、ポスターのピンク&警察の取調室の南国調のグリーンの壁紙とはあまりにかけ離れた映像は、限りなく寒々しく、
貧しさと、グレイな街並みで、人々の拠り所は神への信仰心という場所。
今や世の中、性差別をなくそう、若さや美しさで判断するのはよしましょう。でも「辺境の地でじゃそんなのは通用しない。」ってのが、男性達の刺さるような殺気だった言葉や、視線で思い知らされます。
ペトルーニャの頑なまでの反骨精神は、途中から滑稽にも魅力的にも見えてきました。
ラストは『えっ!そうなの?こんな終わり方?なるほど。』って、ペトルーニャにエールと共に、苦笑いでした。
Cuma

Cumaの感想・評価

3.7
取調室のシーンと、最後のシーンの美しい画が印象に残る。

ヒステリーな女が何人も出ていて、問題にする必要のないことを問題に仕立て上げたり、場を騒がせるのはいいけど他者に配慮しなかったりと見ていて気分の良いものではなかった。

群衆の男性や、警察署長、司祭に至っても誰一人まともな人間が出てこない。唯一「分からない」を貫き通す彼だけがまともに見えるのも皮肉だ。

そんな進展しない押し問答の中、ふっと全てが終わるラストの、霧が晴れたような神秘的な爽快感が不思議な感覚。

ラストのシーンが好き。
北マケドニア。世界地図で場所を指そうとしてもすぐにはわからない、そんな国のお話。それなのに「えっ⁈コレ日本の話しですよね⁈」って言いたくなるような既視感あふれる作品。
この手の作品の劇伴だと、不協和音を使ったストリングスをイメージするけど、いきなりハイピッチのバリバリのロックの爆音でビビッた💦ホントに最初のところだけなんですけど。
北マケドニアの田舎町で暮らす、32歳・大卒・独身のペトルーニャは、女人禁制の祭りで、男だけが受け取れるはずの“幸運の十字架”を偶然手に入れてしまう。
このワンシチュエーション、他愛のない話を国情や因習、性差別の問題にまで高めて描かれる。
キリスト教でも東方正教会なのでカトリックとは違った素朴感、神秘性を感じさせられる。
北マケドニアは旧ユーゴの構成国だったので、やっぱり兵役に行って、実際にドンパチしているだろうし、男達のゴツさが半端ない。だからか、祭りに参加する男達のヤカラ感がかなり強烈。しかも言ってる事がメチャクチャ。とてもコイツらが神に救われるとは思えない。
ペトルーニャ役の役者さんが特に素晴らしかった!ワガママ豊満ボディに鋭い目力はキャシー・ベイツを思わせるほどの存在感があった。蹴りを入れちゃう等、過干渉な母親との関係性も拗れに拗れている。終盤“神も女性だったかもしれないじゃないか”なんていう、アイロニーとユーモアに溢れた意見からペトルーニャの心境に動きが見え始め、彼女の最後のある行動とともに司祭にセリフを言った時の清々しい表情がとても良かった。
原題を直訳すると「神は存在する、その名はペトルーニャ」ストーリー的にも、その通りの展開で、もちろんイイんですが、邦題の「ペトルーニャに祝福を」が本当に素敵で素晴らしい。邦題が素晴らしいなんて思ったのは久しぶり(笑)

このレビューはネタバレを含みます

生理1日目に映画館に行ってはいけないということがよくわかった。断続的に寝てしまった。くそっ。定価で観たからなんか損した気分。私が悪い。帰宅してからよく寝ました。
さておき、冒頭、タイトル出る前がめちゃくちゃお気に入り。ロングショットで彼女を捕らえてガンガンのロックが流れる。いいぞいいぞ…!と期待感ふくらみ、ばあーんとタイトル。ひゅー!しかし予告編のテンポ、内容が面白すぎたから、それを超えなかった。というか予告編のテンポはあくまでも予告編のテンポであって、本編のテンポではなかった。そして私は寝てしまった。
だからストーリーのことは言えないが、言いたいことはわかる。散々十字架の持ち主は誰なのかってやりとりして、うんざりしてたけど、最後の彼女のセリフが小気味良かった。「あげる。私はいらないけど、あなたや彼らには必要でしょ?」的な。
映画館からの帰り道、「そうだよね〜男は手放さないよねぇ〜」と思いながらドーナツを買って帰った。
全然関係ないけど、むかしNPOの代表のひとに「女性って転職かるがるやるイメージある。男性ってなかなか、やりたいこととか大きなこと言ってる割には動かない。女性って軽やか」と言われたことがあって、確かに、当時の私たちの周りはそうだった。あと恋愛も。女性は次に行けるけど…、然り。なんかそう言う傾向はある。
国が違っても、女性が置かれる立場は似ていたり、男性、女性のそういう性格的なものが似てるのが興味深い。人間って不思議。

しかしこの邦題はどういう意思を持って付けられたのでしょうね。なんかムカついてきた…
yoshiko

yoshikoの感想・評価

4.2
原題は「神はいる、名前はペトルーニャ」。主人公は大学で歴史学を学び、頭はきれるが無職、見栄えもよくなく、性格もフレンドリーとは言い難い。求職活動はうまくいかず、母親とは対立し、32歳でどん詰まりのような生活を送っている。そんな時、目の前に落ちてきた十字架を川に飛び込んで拾ったことで大騒動が巻き起こる。十字架を手放さない彼女を責め立てる男たちはミソジニーの権化であり、その様子はボスの「十字架を担うキリスト」に描かれた男たちを思い出させる。
しかし、彼女は孤立しているわけではない。何より、彼女自身に力がある。様々なできごとを通じ、彼女自身がそのことに気づき、もてる力を発揮していく。まさに主体性、エージェンシーをめぐる物語なのだ。結末はやや意外だが納得できる。そして私たちのだれもが、自分のなかにかけがえのない十字架(宗教のアイコンとしてではなく)を持っていることに気が付くことになる。
TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

3.3
マリアを讃える正教会での女をめぐる争い。

母と娘の関係の描き方がえぐい。
市川崑「炎上」を思い出した。

ペトルーニャにはペトロとピョートル両方につながるのが歴史の面白さだろう。
ワタシ自身も何の役にも立たない「歴史」を専攻した。就職にはなんのメリットもありゃしない学問を選択できたのも、1980年代後半の未曾有の売り手市場だったからだわね、とか昔を思い出したりして。あら、レビューになってないわね。
goodbye

goodbyeの感想・評価

3.6
テーマに興味を持って見たが、内容は浅かった。何か考えているようで、考えていない主人公。ジャーナリストの描き方からも、女性のことバカにしてるのでは?と思ってしまった。
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