過去に掴んだ束の間の栄光と現実の狭間で苦悩する人達が再び若き頃の輝きを取り戻そうとする話であり、もっと踏み込んで言えばロックンロール・ドリームとそのロマンティシズムの物語。
寓話であるのだけれど、そこに真実味を持たせるにはこの手の映画の場合何よりも楽曲が重要。その点、ジェフ・リンやミック・ジョーンズが関わった本作の楽曲は出来栄えに申し分無い。
基本的にダメな人達に対してちょっぴりウェットかつ暖かい視線で描くコメディは極めて英国的で、ガイ・リッチーやエドガー・ライトの作品が好きな人ならば間違いなく楽しめるはず。
あとはあなたがロックンロール・ドリームを信じているかどうかだ。信じているならば心の一本になるだろう。