【死線が変われば味方も変わる②B】
【タッチの続き】
A『故意に傷つける』
B『不意に傷つけてしまう』
C『故意に傷つけざるを得ない』
タッチの和也を傷つけた、
トラックの運転手は『B』に分類されます。
【限りなくAに近いB】
しかしトラックの運転手は、
酒気帯び運転だったのかもしれません。
あるいは余所見運転だったのかも。
その場合『限りなくAに近いB』です。
もしくは、
娘との関係に改善の兆しがあり、
心機一転、仕事にも精を出そうと、
『希望を見出した矢先での悲劇だった』
という可能性だって無きにしも非ず。
我々はトラックの運転手に対して、
『和也を傷つけた加害者である』
という事実しか知りません。
【南(部)のアウトロー(恋人)】
完全試合まであと一人。
上杉達也の投じたアウトローは、
引退間際のベテラン選手に、
ライトスタンドへと運ばれる。
そこから遡ること、
時は1934年。
若者達の希望であるアウトローの前に、
引退した老いぼれ二人組、
ラストスタンドが立ちはだかる。
【流れに逆らう】
忘れ去られた遺物(異物)が2人。
2人の標的は、
『民衆の英雄』である若者2人。
老いぼれが若者を殺す。
自然の摂理に反する行為である。
【加害者?被害者?】
ボニーとクライドは、
『加害者?』
『被害者?』
それは見方によって異なります。
人の行動には必ず、
『正と否の二面性』が存在します。
ボニーとクライドが英雄だとしても、
野ざらしにしておく訳にはいかない。
それが若い芽を摘む行為だとしても、
野ざらしにしておく訳にはいかない。
僕らは与えられた立場から、
正と否を区別する以外に方法はない。
しかし、
『そこには必ず別の側面がある』
ことを忘れてはならない。
【希望】
希望が失われた今、
『残された者たちはみな』
『自らを希望に変えなければならない』
奪われた達也は、
『再びピッチャーマウンドに立つ』
奪ってしまった老いぼれ2人は、
『老い先みじかな旅路を』
『交互に運転しながら先へと進む』