スタンダード

ザ・テキサス・レンジャーズ​のスタンダードのレビュー・感想・評価

5.0
【死線が変われば味方も変わる②B】
【タッチの続き】


A『故意に傷つける』
B『不意に傷つけてしまう』
C『故意に傷つけざるを得ない』


タッチの和也を傷つけた、
トラックの運転手は『B』に分類されます。


【限りなくAに近いB】


しかしトラックの運転手は、
酒気帯び運転だったのかもしれません。
あるいは余所見運転だったのかも。
その場合『限りなくAに近いB』です。


もしくは、
娘との関係に改善の兆しがあり、
心機一転、仕事にも精を出そうと、
『希望を見出した矢先での悲劇だった』
という可能性だって無きにしも非ず。


我々はトラックの運転手に対して、
『和也を傷つけた加害者である』
という事実しか知りません。


【南(部)のアウトロー(恋人)】


完全試合まであと一人。
上杉達也の投じたアウトローは、
引退間際のベテラン選手に、
ライトスタンドへと運ばれる。


そこから遡ること、
時は1934年。
若者達の希望であるアウトローの前に、
引退した老いぼれ二人組、
ラストスタンドが立ちはだかる。


【流れに逆らう】


忘れ去られた遺物(異物)が2人。


2人の標的は、
『民衆の英雄』である若者2人。


老いぼれが若者を殺す。
自然の摂理に反する行為である。


【加害者?被害者?】


ボニーとクライドは、
『加害者?』
『被害者?』
それは見方によって異なります。


人の行動には必ず、
『正と否の二面性』が存在します。


ボニーとクライドが英雄だとしても、
野ざらしにしておく訳にはいかない。


それが若い芽を摘む行為だとしても、
野ざらしにしておく訳にはいかない。


僕らは与えられた立場から、
正と否を区別する以外に方法はない。


しかし、
『そこには必ず別の側面がある』
ことを忘れてはならない。


【希望】


希望が失われた今、
『残された者たちはみな』
『自らを希望に変えなければならない』


奪われた達也は、
『再びピッチャーマウンドに立つ』


奪ってしまった老いぼれ2人は、
『老い先みじかな旅路を』
『交互に運転しながら先へと進む』