すみっコぐらしははみ出し者たちのコミュニティ。
冒頭、みんなで訪れた喫茶店で料理を待っている間、それぞれ本を読んだり音楽を聴いたり「自由すぎ！」とナレーションでツッコミが入るマイペースさ。
しかしそんなゆるい描写から「個人を尊重する」という彼ら共通の価値観がにじみ出ている。
考えてみると、すみっコ達の過去は作中コミカルに語られてはいるが、大人にとっては自身の仄暗い思い出や世の中の闇と重ねてしまうようなものばかりなのだ。
だから彼らが仲間にかける温かいことばや振る舞いは、痛みを知っているからこそ身に付いたものなのだろう。
そして彼らの冒険を見ていると
そのネガティブな側面を越えて照らし出したいテーマがあることに気付く。
アニメ映画というより動く絵本のよう。まるっこい奴らの優しさは尊くて、後からくる。
