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ザ・ターニングのTMのレビュー・感想・評価

ザ・ターニング(2020年製作の映画)
2.4
真実が明らかにならないことの是非を問う。

住み込みの家庭教師として雇われたケイトは、老いたメイドと少女フローラの住む古びた屋敷での生活を始めた。そこにフローラの兄マイルズも帰ってきて、ケイトは予想外に二人の面倒を見ることになる。
薄暗い屋敷の中で起きる不可解な現象。それは果たしてマイルズのいたずらか、失踪した庭師の怨霊か、はたまたケイト自身の妄想なのか……。

何が何だかわからないが故の怖さって、あると思うんだよね。はっきりしないからこそ怖い、恐ろしい、想像をかきたてられる。
今作の目論みもまさにそういうとこにあったんだと思うんだけど、それにしてはなんか微妙なんだよねぇ。
まずこどもたちが怖くない。
次にはっきりしないにも程がある。
最後にケイトのやつれ方がひどい。

ジャケットでは不気味なこどもたちなんだけど、作中では普通にかわいい。そして何かを企んでたり隠してたりってより、何かに怯えてる側にしか見えない。
それを問い詰めるケイト……ひどい女じゃね?なんかケイトが被害者って感じがしないんだよねぇ。
精神を病んだケイトのやつれ方も、やつれてるってより、薄汚れていく感じだし。もう少し綺麗に病んでくのを演出できなかったのかなぁ。
話としてはもう古典的な作品なんだから、映像としてどう訴えるかの話だと思うんだけど、その映像がいまいちだから、全部いまいちなんだよね。

『時代の傾向として考察するような作品が求められていない』とかいう記事を最近読んだんだけど、そうなのかもねー。
わかりやすさが求められる世知辛い現代に、あえてリメイクするような作品ではなかったな。
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