Tyrn

フリーソロのTyrnのレビュー・感想・評価

フリーソロ(2018年製作の映画)
4.0
断崖絶壁のEl capitanをザイル無しで登るアレックスオノルドを世間の人は「命知らず」「無謀」「無鉄砲」と狂人扱いするだろう。

しかし登攀中の手足の置き場所などの緻密なシュミレーション、何十回も壁に向かい練習する彼の用意周到な姿を見ると、まるで机の上で答えを出してから進む数学者のように思えた。

いつ死ぬか分からない恐怖を楽しみとして矜恃する彼は、下界では人との繋がりを深く持たないようにしている。始めのシーンで「僕が死んでも悲しむ人はいない。」と自分を嘲笑するように淡々と話す彼に違和感を感じた。しかしそれはアレックス自身が、彼女や親しい友人達との想いに蓋をして強い覚悟を持って臨むための一種の鎧であり、彼なりの哲学を持っているのだと感じた。

肝心のクライミングシーンは、アレックスの超人的なムーブ、岩壁の険峻さなどが詰まった最高の出来で、画通り手に汗握る展開でスリル満点。CGが一切ない贅沢なシーンです。

不可能だと思うことを簡単に諦めないこと、不可能が可能になることなど、クライミングをする人、しない人に関わらず全ての人が大きな何かを感じる事が出来ると思います。

#字幕監修が平山ユージで驚いた笑
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