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フリーソロのsumiのネタバレレビュー・内容・結末

フリーソロ(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

アレックス曰く、彼の恋人(サンニ)や、多くの人の在り方とは“ただ幸せであることを望む”ものだと説く。しかし、彼は、“幸福な世界には何も起きないし、何も達成できない”と言う。その倫理観がどうとか言う理屈は抜きにして、だからこそ恐怖感を抑え付けてでも、フリーソロに挑むのだ、ということがひしひしと伝わってきた。
また、彼の“フリーソロと戦士は似ている”という言葉の通り、恐怖と対峙しながら登頂していく姿が、まさしく戦士のように勇ましく見えた。
彼の恋人や友人、家族側としては、彼がいつ命を落とすか想像しただけで居てもたってもいられないだろうなと、心中を察する。しかし同時に、それは日常においても言えることだし、人は、いつかは死ぬのだ。もちろん、わざわざ選択肢なくてもいいフリーソロに挑むことで、死のリスクが圧倒的に高まるのは言うまでもない…ただ、それでも、それが彼の選んだ道であり、フリーソロが、彼が彼らしくいられる場であることは間違いない。
エル・キャピタンを登っていく実際の映像は、終始手に汗握る展開だった…映像で観ているだけでこれだけハラハラするのだから、実際のクライミングでの恐怖は想像を絶するのだろうな…映画館の大きなスクリーンで観るに相応しい。見終えたあとは緊張から解放された安心感が大きかった。彼の生き様を通して、大きな目標に挑戦する勇気を与えてもらったなと感じる。
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