2019.09.17鑑賞。ドキュメンタリーとは思えないほど劇的な映画だった。
ラストの登頂なんて、下品な表現で申し訳ないが、自分の愚息が何度もヒュンッと縮み上がった。命綱なしでクライミングをやるだなんて頭のネジがぶっとんだ人間に違いないという先入観をいい意味で壊してくれたのが恋人の存在だった。恋人ができてからというものの、彼にとって人生が一段と豊かになっているが、2回も落下し、怪我を負っているのも事実。彼に死んでほしくない彼の周りの人間や、観客にとってみたら「邪魔」な存在でしかないのだが（失礼）、きっと彼女なくしてラストの登頂は成し遂げられなかったのだろうと思わせる存在で、非常に映画的だ。人生に「幸福」を求める彼女と、「達成」を求める主人公。求めるゴールが違うのにも関わらず、互いにリスペクトできるというのは理想の関係だなと。
