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スキャンダルのa9722のレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.7
映画化のスピード感、セットや衣装、出演者の世界観、はすごかった。
シャーリーズ・セロンに見えない…。
話し方も変えてるし。
辻さんのさすがのメイクアップを見るだけで楽しめた。

この三大女優の共演を見るだけでおおっとなっちゃう
さらに舞台はメディアの黄金時代も築いたFOX。
映画だからもちろんかなりよく撮っているだろうけど、メディアらしく雑多でも社内あんなかっこいいものか。。
同じメディア業界で働く身として、その規模感や社内の差に、分かっていたけど改めてかなり萎えた。笑

大女優の共演、タイムリーな話題、メイク、衣装、セット含めた世界観
これは本当にとても楽しめたけど
今ひとつ描き方がところどころ
少しずつ中途半端な気もした。

ただ観た後に、考えさせられたのはこの今の時代、と美の概念について。
私はZ世代だし、いわゆる今の時代の流れ(プラスサイズモデルや黒人だったり肌が斑点のようにアルビノになっているモデルだったり、ドラマもLGBTQの人が何人も出てきたり)
に大きな異論はない。一本化よりは多様化がいいものだと絶対に思ってるし、権利や同じように差別なく生きることが当たり前な時代になって欲しい。
さらによく言われるアメリカの文化支配の時代によって作られた、美の概念(白人そしてスキニーであることなど)を覆すためには、ある程度今までと異なる黒人やアジア人の起用、プラスサイズの起用等は必要だと思う。
けど、この今の時代のなんでもかんでもいいんだ美しいんだって考えの流れは、多様性を求めつつ矛盾かもしれないが少し違和感を感じる。
そしてじゃあ美しいってなんだろうってなった時に、人の目につく仕事、ひいては美しいものを見たいと思う人間の願いを満たす仕事(アクターやモデルはそれも担っていると思う)に、誰でもが何でもかんでもが美しいからなれるんだってのも違うような気がするし。
もちろん、人はみんな違ってそれぞれに美しい。けどそれ、それぞれが普遍的な美だったりになるのかなあ、とか。
どんな時代もこういう動きのある時は、過激派がいて過激派の動きには少しなえちゃうもの。
けど、頭では歴史を見てきても過激派がいないとムーブメントも起きないということもあるよなあとわかってたり。難しい。
美や今の時代についてまた考えさせられた。

大きな現代のハリウッド映画としての作り方や、ただただアメリカのテレビ局の世界観を観たいという気持ちはかなり満たしてくれました。
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