ギャガさんの最速試写会にて鑑賞。
思っていたよりもしっかりとハラスメントにメスを入れられている、というのが第一印象で、色々な意見が聞けそうな作品でした。
特に意見が分かれるのは、男性と女性、実際に何かしらの被害に遭ったことがある人・ない人との間だと勝手に予想。
初っ端からアメリカ大統領選やFOXの紹介など、多くの情報が耳に入ります。
ある程度の人間関係さえ掴めればその情報の全てを理解していなくても問題はないですが、当時のアメリカの政治情勢に詳しくないのであれば前情報を入れてから観に行くことをおすすめします。よりストーリーに入り込むことができます。
トランプのツイートなんかも出てきますが、全て紹介されている訳ではないので、この辺りも合わせてググってみるといいかもです。
この作品でハラスメントとはどういうものかを濃く印象付けたのは、
マーゴット・ロビー演じるケイラ・ポスピシルの存在だと思います。
印象的な２つのシーンがありますが、彼女の表情や台詞のひとつひとつが本当に素晴らしく、メイクやファッションの変化なども含め、注目すべき点がたくさんありました。
この作品を観て、これまでの自分の受けた被害や失礼な言動を思い出してしまう女性は少なくないと思います。実際、私はそうでした。
ただ、それで辛くなってしまうというよりかは、ロジャーを腹立たしく思う気持ちや（好演の賜物です）、私もグレッチェンのような対応が取れていたら、という後悔の気持ちが大きかったです。
きっと私のような気持ちを持った人達にも向けられた言葉なのでしょう。全ての女性がグレッチェンのように立ち回ることは難しいよなぁと思っているところに、最後のメーガンの台詞は強く響きました。
事実を再現しただけでなく、あちこちで毎日のように起きている被害に苦しむ人達に寄り添った力強い作品だったと思います。
他の実話ベースの作品とは違い、実在の人物の写真や声を最小限に留めていたのも好感が持てました。
彼女達はいつまでも「被害者」として人前に出る必要はないんですよね。
