保守系のマードック一族が牛耳るケーブルネットワーク「FOXニュース」。社長のロジャー・エイルズは、番組出演をエサに女性キャスターたちへセクハラを繰り返していた。2016年、突如ベテランキャスターのグレッチェンがロジャーをセクハラで提訴、社内は騒然となる。10年前に彼からセクハラを受け、その痛みを抑えこみながら社風に逆らい反トランプ報道に踏み切ったことで炎上を招いた中堅キャスター・メーガンは、この告発に刺激を受ける。一方、新人キャスターのケイラは、告発に動揺を隠せない。彼女は自分の番組を手に入れるため、ある行動に出ていたからだ…
「スキャンダル」。
以下、ネタバレハラスメント。
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「こんな話、どの時代のどの業界でもあるわけで、スキャンダルと言える大きなものなのか？」と思ってしまった世の中年男たちにはピンとこない作品。
…と、こんな感想で終わるのわけは当然ない映画です。セクハラを訴えた女たちが卑劣な扱いを受けてからの共闘&大逆転、みたいなエンタメを期待したら完全に裏切られてしまうんですが、三人の女たちの矜持を描いたドラマとしては、過不足ない配分で充分楽しめました。主演三人の名演は言わずもがな、ロジャー役リスゴーの怪演、マードック役マルカム・マクダウェルの貫禄も印象的。セクハラの話ではなく、権力者に弄ばれる労働者の目線で見れば、おっさんたちにもしっかり共感できる映画ですね。奇しくもワインスタインが有罪となり、要注目の一本です。
