おおつか

スキャンダルのおおつかのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.5
ビリー・アイリッシュの『bad guy』をバックに「反撃開始」と銘打たれた予告を見ると、壮快で清々しい内容を思い描いてしまうが、実際のところ、観賞後に決して心が洗われるような映画ではない。

『スキャンダル』はセクハラ問題に対して一つの解決策を唱えるよりかは、問題を明確にし、語るきっかけを与える為としての色が強い。

つい3年ほど前の事件を取り扱っているだけあり、一筋縄ではいかない現実にぶつかる女性達の痛みや辛さは、新鮮なままに伝わってきた。

だからこそ、形勢が逆転しても問題の根本的な解決にはならないという、セクハラのリアルな性質が、観客に確かな苦味を残して物語は幕を引くのだ。

3人の豪華金髪女優が一堂に会する絵を観るだけでも価値あり。
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