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L'animale(原題)のyのネタバレレビュー・内容・結末

L'animale(原題)(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

非常に男性的なシルエットを有する主人公Matiを取り巻く、友情と性におけるティーンエイジャー成長譚。暴走族グループで一緒になって暴れ回っていたMatiはメンタルやら何やら非常に男性的イメージ。彼女は友情で周りの男と繋がっていると思っていたが、グループの中の一人の男に告白されたことから関係性が揺れていく。同時に、Carlaという女性に友情を超えた感情で惹かれていくMatiだが、その三角関係における、思春期特有の残酷さを兼ね備えた不器用な愛情表現の応酬はとても見応えがあった。

一方、Matiの母親であるGabiと母親のPaulとの関係性も、FelixというPaulの同僚の男によって乱されていくのだが、ゲイ/バイというセクシュアリティの葛藤を交えた三角関係となり、こちらはこちらで素晴らしく丁寧に紡がれていたと思う。夫がゲイであるという事実と不貞の両方を、一気に視覚的な情報として頭にねじ込まれたGabiがどんどん壊れていく様と、ゲイとして生きることとGabiに対する愛の間で葛藤するPaulの涙、そして最終的には2人で生きていくのだろうと思うと複雑な気持ちになる。

(暗い)洞窟、クラブ、部屋。そして(明るい)緑に満ちた空間、窓の外。心情に応じたロケーションの使い分けが非常に上手だった。Katharina Mückstein監督の映画は初めて観たけれど、今後も是非追っていきたいと思う。
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