夜行列車に乗ったカリート

ブルータル・ジャスティスの夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.0
メル・ギブソン、ヴィンス・ヴォーン共演。老練警官を軸に展開する、クソおもしれぇ重厚な犯罪劇。

暴力を演出で「見せる」ことなく、引きで淡々と映像にしているため、「暴力は日常の延長」という感じがしましたね。
銃撃戦もリアリティがあり、ただ撃ち合うのではなく、拮抗していて緊迫感があります。

長い上映時間でしたが、展開が予想できず最後まで見れました。群像劇っぽくしているのも良かったですね。

老練刑事と相棒の掛け合いがとにかく最高で、好きなシーンが沢山あります。

飲食店で掛かる音楽に対して、
「これ男と女どっちか歌ってる?」
「…最近はどっちでも一緒か」
「境界線が曖昧になってるんだ。私たちは妊娠したと、夫が言うようになった」

この一連の流れは、すっごい気持ち分かります。
近年のジェンダーレスに反してると言われようが、自分の生き方を変えられない不器用な男たち…って感じです。

現場で成果を上げても評価されず、上手く政治的に立ち回れる奴が上に立つ。
貧困の問題にも触れらていて、現代の価値観の移り変わりと、それに順応できない男の苦難が、あ~分かる分かるって感じでした。

ライオンが象徴っぽく出てきますが、表すものは何だったんですかね。「富」なのか「挑戦」なのか…。ヘミングウェイの「老人と海」にもちょっと通じているのかなと思いました。

気になったのは一つ、
あんな大量の金塊、そんなすぐ現金化出来ないだろって事ですかね…。
アンチョビ!!