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ブルータル・ジャスティスのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.0
【鈍重は正義!?】
《鈍重》、、、通常、この言葉はネガティブな意味で使われる。しかし、S・クレイグ・ザラーの場合、それは唯一無二の個性として評価できる。

標的が窓を開けるのを待つ2人の刑事。敵が網階段をカンカンと昇る。フォーカスは、手すりのタバコに向けられる。ジリジリと動くタバコ。そして、地面に落ちると「ヨシッ!」と銃を構える。しかし、中々《時》はやってこない。相棒はかったるそうにコーヒーを飲み、ガムをくちゃつく。やがて、敵は外をジロリと確認し、窓から出てくる。死角から刑事は彼を捕まえる。

そうです、刑事の逮捕までの流れを丁寧に丁寧に描いていくのです。では、本作はリアリズムの映画なのか?現実的な逮捕劇から映画を見つめる作品なのか?

答えは《否》。刑事アクション映画が勢いだけで進むことを批判し、アクションにメリハリをつけることで新しい刑事アクション映画の可能性を見出した作品だ。

間抜けな場面から突如、戦慄するハードコアな暴力こそが、現実と虚構の境界線で、少し虚構へ傾けることで旨味を抽出できる。

この匠の塩梅に満足です。

どうやら日本公開するみたいですよ。
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