KANA

アポロ 11 完全版のKANAのレビュー・感想・評価

アポロ 11 完全版(2019年製作の映画)
4.2

いろんなコンテンツでもう見尽くした感のあるアポロ11号による史上初の人類月面着陸。
ただ、これは再現ではない。
1969年の偉業から50年を経て新たに発掘された70mmフィルム映像や11,000時間以上もの未公開記録をもとに製作された、正真正銘のドキュメンタリー。
アーカイヴ映像のみで構成されていて、ナレーションやインタビューは一切ない。

いや〜こんなに詳しい映像記録があったなんて!!
NASAの何方がたか、よくぞこまめに撮っておいてくれたと思う。

管制官のアナウンス、双眼鏡やカメラを手に打ち上げを見守る群集、宇宙服を丹念に着させられ、アポロ11号に向かう3人…
この緊張感溢れる冒頭から没入してしまった。
俳優じゃない。アニメでもない。本物の現役ニール・アームストロング。
バズ・オルドリンとマイケル・コリンズもこんなにじっくり見たのは初めて。

打ち上げ
月周回軌道へ投入
アームストロングとオルドリンが月着陸船(LM)に移り、徐々に速度を落とし7月20日20時17分、月面着陸
写真撮影したり地質をレポートしたり岩石サンプルを採取したり星条旗を立てたりのミッション
ニクソン大統領との生電話
コリンズ1人を乗せたまま月を周回する司令船コロンビアに、LMが再びドッキング
大気圏再突入、数十秒のブラックアウト
太平洋に着水

…とサラッと書くけど、これを成し遂げるのにどれだけ緻密なサイエンスとテクノロジーが集約されなければならなかったか。
ケネディ大統領の宣言を実現させたアメリカの底力は計り知れない。

どのプロセスも圧倒的リアル映像や生き生きした音声と共に追体験できて人類として感動しまくりだった。
4Kリマスターされてるのもあってか、つくづく50年以上前の映像とは思えない。
地球を臨む構図といい、月面ではキューブリックが撮影したと噂がたったのもわかる気がする。

管制室フェチとしても見応えたっぷりだった。
この時のMCCものすごく広い!列が何層にもなってて管制官の人数も半端なくて逆にフィクションっぽいほど笑
それだけ壮大なプロジェクトだったんだなぁ。
今見たらレトロなコンピューターもギーク感溢れてていい。

今後アルテミス計画の進捗もますます楽しみになる。
KANA

KANA