麻生さくや

浅田家!の麻生さくやのレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
3.5
友達が「いい映画だった、たぶん好きだと思うよ」ってオススメしてくれた映画「浅田家!」

自分の家族で色んな職業やシチュエーションに扮した家族写真 を撮って、個展を開いて写真集を出して、家族写真を撮る写真家になった浅田さんのお話。

実話ベースの映画で後半には震災で津波に呑まれた写真の洗浄と返却のボランティアをしていたエピソードもあって、写真の存在価値なんかにもふれられている。
確かに何気なく撮ってた写真が、後になってめっちゃ懐かしく思えたりすることってあるよね。
自分はたぶん一般的な人よりも写真を撮るのが好きだとは思うんだけど、特別好きと言うよりも息をするように撮ってる感じだと思う。
映えスポットとかにもあんまり興味はなかったりする。
うちの婆ちゃんが乗り物酔いの激しい人で徒歩圏内でしか行動出来なくて、爺ちゃんは町内会とかの旅行に行っては旅先の写真を撮って来ていた。
特にいいカメラなんかも持ってなくて写るんですレベルのカメラで撮った一切の映えのない平凡な写真。
たぶんどこにも行けない婆ちゃんに見せるために撮ってたんだと思う。
その影響かはわからないけど、親父はデザイン関係の仕事をして写真にも関わっていたから、その延長線上に自分がいるのだと思う。

…そんなことを思い出すような、いい映画でした。
「特別いい」ってんじゃないけど、演者さんがみんないい演技で、登場人物の一人一人も大事に描かれてて、ストーリーの構成もよく出来てましたね。
特に改札で見送るお母さんが最後に手を振る感じとか、特徴のないいい人をあれだけ演じられる妻夫木さんはすごかった。
最近はポートレートでしか人部写真を撮ってないけど、またイベント写真とか撮りたくなったなぁ…
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