けん

浅田家!のけんのレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
3.9
まさしの写真家としての成長を上手く描いた作品。


今まで楽しい写真を撮っていた政志。
そんな政志が脳腫瘍の子供の家族写真を撮りに行った時に、涙を流してしまう。
このシーンは、写真家として何ができるか、写真家としての成長のきっかけとなる大事なシーン。

ここから、失われゆくものを対して何ができるのか考える。

父親が行方不明の少女に家族写真を撮って欲しいと言われるも、父親のいない彼女に対して、申し訳なさとか悲しみとか色々の面から撮れないよ、、、断っていた。

しかし、父親が倒れたのをきっかけに、幼少期の写真を振り返る。
その際に父親がいつも撮り手にいたかとに気づく。
だが、しっかり「記憶」「繋がり」があることに気づき、写真が大事ではなく、写真を撮る行為そのものが大事だと言うことに気づく。
ここでしっかりと壁を乗り越え写真家として成長。
最後は素敵な写真を収めていた。

こんなにも主人公の課題、葛藤、成長を一つ一つ丁寧に描写している映画は久しぶりに見た。
けん

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