家族写真を変えた一家
消防士になるという父の夢を叶えるために撮った一枚から始まった、手の込んだ家族写真撮影。
「面白いけどねえ、所詮君んちの家族写真だからなあ」
30もの出版社に写真集の出版を断られる。
ぐうたらな政志の才能を世に知らしめたのはある女性"たち"の行動だった。
浅田家の人間はどこまでも女性に助けられて生きている。
でもそこには意思がある。明確な目的がある。
だから助けてあげたくなるのかも知れない。
一歩間違えばヒモ。でもその道を踏み外さずに進めたのは間違いなく"一家"のおかげだと思う。
その一枚は少女の笑顔をを引き出し、
その一枚は生きていた証を残し、
その一枚は失われそうになった思い出を鮮明に蘇らせる。
たった一枚の写真にこれ程の力があるとは。