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浅田家!のShinMakitaのレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
2.1
三重県出身の少年・浅田政志は、父からカメラを譲り受け写真にハマった。やがて写真の専門学校に通うようになり、いずれはプロのカメラマンになるのだろうと両親も兄・幸宏も思っていたが、ぐうたらな政志は卒業すらも危うくなって…

「浅田家!」

以下、政志はなりたかったネタバレになった。家族みんなを巻きこんで……


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脚本を書いた人は相当苦労しただろうなとまず思う。なぜなら、前半と後半が全く違う話、違うテーマになるんだけど、その違和感がないようにシームレスに繋げなくてはならないから。結果として、前半の「政志成長パート」と後半の「写真返却ボランティアパート」がきちんと〈家族〉という大きなテーマで連なっていて、素晴らしかったかなと。ポランティアで凹む政志に対し、浅田家続編を望む家族たちが若干自己チューに見えてしまったりするんだけど、それは瑣末的な部分。ポランティア途中で政志が帰省するクダリは、親父の病気もしっかりフリになっていたし、前半と後半のブリッジとして完璧に機能していました。前半のナレーションが幸宏で、後半のナレーションが政志の独白であるという違いも巧いですよね。


役者陣はもう、みんな素敵です。ニノが泣きながらシャッターを切る佐伯家のシーンは感動したなぁ。後半パートでいきなり菅田将暉・北村有起哉・渡辺真起子が立て続けに登場したのには驚いた。黒木華も妻夫木くんも、みんないい人。「ロッキー」の頃から、ダメ人間が優しい人々に囲まれて悪人が出ない映画にハズレは無いのかも知れない。軽くオススメ。
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