Shun

浅田家!のShunのレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
4.0
1人の実在する写真家を通して、
日本人として、すごい大切なことを考えさせてくれた作品でした


浅田政志は、写真を撮ることが好きで、写真の専門学校を卒業するが、職につかず「腑抜け」た生活をしていた
父の夢についての話を聞いた彼は、自分の家族全員を巻き込んでユニークな家族写真を取り始める


・日本人として考えさせられたこと
最近見た映画の中では1番考えさせられた映画です
考えさせられたというか、はっとさせられたというか
人間の温かみを感じられる映画でした

予告でも触れられているのでこの映画のネタバレにはならないと思いますが、物語のある展開を話すので、展開を一切知りたくないという方は以下見ないでください
↓↓↓ネタバレ(?)









中盤から、主人公浅田正志は、2011年3/11に起きた東日本大震災で被害にあった地域で、流された写真を持ち主に返すボランティアを始めます
ここからのストーリーにとても感動させられ、この映画を見てよかったなと思いました
ボランティアの意義というか、すごさというか、人間の根っこの部分の温かみを垣間見えた気がします

まず、この映画は実話を元に作られた映画であるので、内容にリアリティというか、説得力がありました
はっと気付かされたのが、写真の大切さです
被災者の方々は、津波で家を流され、写真も一緒に全部流されてしまいます

大きな被害に遭って大変な状態の方々にとって、1枚の写真がどんなに大切か
そんなことが真にわかる作品です

「家族写真」を大切に撮ってきた浅田正志にとって、このボランティアを手伝うという決意は凄く納得がいきました
また、写真をそれぞれの持ち主に返すことは、ほんとに大切な意義のあることだなと実感しました
被災地では、1枚の写真を洗って返す作業をしている人がいて、何枚もある写真の中から自分の家族の写真を必死に探す人が居たということを初めて知りましたし、その事実に驚き、
また、大震災の恐ろしさや悲しさを実感し、
助け合う人と人との温かみを感じられました

当時はまだ大人になれてなかった私ですから、ボランティアに行くなどとは考えていませんでした
被災地の現状、体験はニュースなどの間接的な内容しか知りませんでした
今回は「写真」というひとつのスポットで被災地の様子を少し感じられましたが、現地ではもっともっとつらいこともあっただろうし、悲惨な現実逃避あっただろうと思います
そんな中で、ボランティアなど、いろいろな作業を通して支援している人がいて、それを想像するととんでもない温かみが感じられました

困ってる人が居たら助ける
それってほんとにすごい事だし、現地に行けば、どんな形でも何か力になれるような気がしました

日本は大陸プレートの境界上に存在してることや、山が多い島国であることから、地理的に超災害大国なので、まだこれからも大きな地震や台風などの災害はあるかと思います
我々は日本人同士お互いに助け合わなければやっていけない国に住んでいます
もしまた何か助けが必要な人がいる時に、行動に移せたらなと思います
そんな温かみをもてれるような人間になりたいなと思いました
そして、この映画を多くの人がみて少しでもそう感じて貰えたらいいなと思いました



・実話ベース
とにかくいい刺激を貰えた映画だったので、ほんとに見てよかったのですが気になるとこ1点
実話ベースの映画だと、都合のいいとこだけ掻い摘んで、綺麗に作り上げられた感を感じてしまいます

僕はひねくれ者なので、どこまでがホントなんだろ?とか疑った目で見てしまい、正直ストーリーはフィクションの映画よりフィクションに見えてしまいます

浅田家の人生も面白くて感動できる場面は多々あったのですが、正直どこまでがほんとなんだろうっていう所があります
最後の最後で実際にある写真が出てきたので、実話なんだなって思いましたが、やっぱりどこまでが事実だったんだろうなって思いました
偉業や、大元のストーリーはほんとなんでしょうが、感情の動きとか場面場面でかけた言葉とか、たまに嘘くさく聞こえてしまいます

それさえ除けば、ストーリーもまとまってて、感動できる場面も多く、面白かったなと思いました



実話ベースであるが故に、とてもいい刺激を貰いましたが、
実話ベースであるが故に、個人的には一点だけ気になるとこがあった映画でした
素直にストーリーを楽しめる方にはうってつけの感動作だし、誰が見ても価値のある作品になっています

あと何ヶ月かであの日から10年
今、観るべき映画のひとつなのかもしれません
Shun

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