たく

酔うと化け物になる父がつらいのたくのレビュー・感想・評価

3.3
酒飲みの自分としては避けて通れない映画。
飲むと必ず泥酔する会社員の父に家族を引っ掻き回される娘視点の話で、いかにも邦画っぽいチープな演出にしばらく入っていけなかった。
特にサキの心情を吹き出しの文字で表すのがダメ演出で、漫画が原作なのは分かるけど映画でそれやっちゃダメでしょ!って話。

娘視点のせいか、父が酒を飲まずにいられない心の葛藤がほとんど描かれず酒飲みの悲痛さが伝わってこなくて、ただのクズ人間にしか見えない。まあ実際クズ人間なんだけど、化け物というほど暴れたり暴力振るったりするわけではないので中途半端さも感じたかな。
終盤でやっとシリアス展開になり、伏線回収もいくつかあってウルッとなる。
まあ、こんな風に酒を飲んじゃダメだよねってのは伝わった。

父が泥酔した日のカレンダーにサキが赤いバッテンを付けていく演出があって、たまに印がないのが「飲みに行かない日もあるんだ偉い!」って反射的に感心しちゃった自分は酒飲みとして相当危ないなーと思った(笑)
まあ飲み屋に行かない日を作るためにこうして平日仕事帰りに映画館行ってるんだけどね。

アル中映画は「失われた週末」の頃からの古典ジャンルで、「酒とバラの日々」「マイ・ネーム・イズ・ジョー」「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」など怖い名作が多数。
たく

たく