酔うと化け物になる父がつらいの作品情報・感想・評価・動画配信

「酔うと化け物になる父がつらい」に投稿された感想・評価

原作既読。原作と映画どちらも淡々と事実を描いている感じだが、映画は原作よりもちょっとコミカルな部分もある一方で、リアリティがあってかえってこわいかも。これからの人生だけ考えて頑張ってほしい
想像以上にずっとしんどい。酒にしかよりどころがなかった父、不器用な私。美化できない、それでも家族。松本穂香さんの陰の演技好きだなあ。

このレビューはネタバレを含みます

ダメでした。
面白くありませんでした。

主人公が漫画家だからか原作が漫画だからか、いちいち主人公の心境をフキダシで表現するチープさなんて以ての外。
テロップという露骨な表現含め、逐一ご親切に登場人物の心中を受け手に提示する時点で"受け手を小馬鹿にしてる”ように感じるんですよね。
今主人公はこんな気持ちですよ、主人公はここでこういう思考に走りましたよ、ってのをご丁寧に"文字”として表してる。
ハッキリ言って、無粋です。
ナンセンスです。

そりゃ誰しもがそうじゃありませんけど、例えば私の場合、映画見てる時は映される情景や登場人物に思いを馳せ、脳内であれこれ考えながら見るんです。
ここまで見てきた物語、登場人物の行動・思考といったバックボーンを踏まえながら「あのシーンでAさんはこう感じたのではないか」「あの反応からして、Bさんは過去のトラウマを払拭出来てないのでは?」と考察しながら鑑賞するんです。
映画を頭空っぽにして見る、という人もいるでしょうし単に今日はそういう気分だから、とかあれこれ考えずにとりあえず見てみる、という人もいるでしょうから、一方的に映画の楽しみ方はこうであれとは言いません。
言いませんけど、本作のフキダシ演出は苛立ちを覚えるぐらい"余計なお世話による自己満足っぷり”が隠れてないんです。
確かに分かりやすいですよ。
主人公が今どういう心境でいるのか、悩みの種であった父親にどういう気持ちで臨んでるのか、定時連絡をくれるわけですから誰でも登場人物の心境が分かるので。
でも、あくまで私一個人の意見ですけど、それって面白くないんですよね。
自分であれこれ考える必要がない、って確かに楽ですけど、提示される物語に思いを馳せて考える事が好きな人からすれば、あちら側から逐一答え合わせをして来るのはストレスなんです。
ここぞという場面で分かりやすく答えを提示してくれるといったものならいいんですが、本作の場合、主人公が漫画を描く事に夢中になり始めてから終盤まで、終始主人公の心境をフキダシで表して来るのがノイズでしかありませんでした。
有名なことわざの"地獄への道は善意で舗装されている”が連想されてしまうぐらい、作品に触れる上での一つの楽しみ方である"考える事”を放棄させられている。

とまぁ長々と述べましたが、一応本作に関してもちょっと触れておきます。
タイトルにある通り、酔っぱらってしまうと自分でも何をやらかしたか記憶にないぐらいおちゃらけモードとなってしまう父が幼少時の頃から悩みの種だった主人公・サキ。
そんな父の取り巻きがこれまた鬱陶しく、家庭にズカズカと入り込んできては酒と煙草を交え騒ぐ日々。
母はその環境に我慢ならず、一人信仰宗教にハマり出し、その果てに自殺。
そんな非日常を日常として生きてきたサキは、大人となった今でも自己肯定感が低く、基本的に人を頼ろうとしないしどちらかと言えば人に関心がない。
その為、DV気質のある恋人との付き合い方にも四苦八苦。
「私の人生こんな事になったのも父さんのせいじゃん!!」とブチ切れて当然のサキ。

そんな父を踏まえ、そもそもこんな事態に陥ってしまった元凶とも言うべき存在・アルコールとの付き合い方だったり、元々酒が強くないのに上司の機嫌を取る為に、昔ながらの飲みニケーション・接待に参加するしかなかった…といった習わしを悪しき風潮として糾弾するのが本作のテーマとしており、それ自体は別に悪くなかったです。
私も酒を飲めない、というかアルコールにいい印象を持っていないもので、自分から積極的に飲もうという気持ちにはなりませんので、あのような酒と煙草で溢れる環境にはとても耐えられそうにないです。
その果てに重い病気を患うようでは、阿保らしくて阿保らしくて…。

父はアルコールで、サキは漫画執筆でそれぞれのメンタルケア・コントロールを行っており、それぞれのストレス発散方法は違えど、(周囲への影響はさておき)根本的な部分には違いはないんですよね。
アルコール摂取という手段自体、ストレス発散手段だとしても上手く付き合っていかないとリスキーですよ、って話でした。

で、問題はここからです。
本作は予め冒頭でクライマックスの展開を見せておき、一体何がどうなってこの冒頭に繋がるのか…と、受け手の興味を惹かせる構成となっています。
確かに本作の内容からも父に対していい印象は抱けませんし、サキは被害者でしかないわけですから、一体何がどうなってサキ自ら父へと懺悔するかのようなシーンに繋がるのか…と期待もするというもの。
ところがどっこい、全く父へのイメージは変わりませんでした。

この手の"相手が死亡し、残された者が見つけたあの人のダイイングメッセージを見て心を揺さぶられるシーン"自体は嫌いじゃないんですけど、本作の場合「なんでそんな事してんの? まずちゃんと面と向かってサキに謝れよ」でしかないんですよね。
いい大人が自分の非を自覚して尚、迷惑かけた人に直接謝らず気付くかどうか曖昧な場所に「ごめんなさい」とだけ記して先に逝くわけですから、ハッキリ言ってこれってただの"勝ち逃げ”でしかないです。
生きてる間に、意識がまだちゃんとある時点で迷惑かけた当人に謝罪するタイミングはちゃんとあったのですから、しっかりと禊を行わなかった時点で私の中で父への株はだだ下がり。
結局、挙句の果てのラストシーン含め、幼少時からの劣悪生活環境によって自己肯定感が低く、他人を頼れず、己を責め続けるだけの廃人が生まれたとしか見れませんでした。
サキが「今でも泣きたいぐらい父は嫌い」と零していたように、私もあの父が嫌いです。
いくら酒を飲まないとやってられないような社会の習わしや、メンタルケアの為の処置に溺れていたとはいえ、人として成すべき当人への謝罪がちゃんと出来てない時点で容認出来ません。
なんか綺麗な物語っぽく締めたい思惑が滲み出ていますが、ハッキリ言って胸糞悪いです。
被害被りまくった悲劇のヒロイン・サキが、元凶の死によって更に自己嫌悪に陥る結末を"好意的に取れる胸糞悪さ”とは捉えらえない。

本作、言いたい事は分かりますし"酒は飲んでも呑まれるな”を大々的に打ち出したようなテーマは嫌いではないんですが、「化け物は私の方だったのかもしれない」と自分を責め続けるサキの思考が理解不能。
被害者が加害者を庇うDV思考回路みたいでしたよ。

"無関心でいた”事がサキが化け物たる所以だったとしても、サキが幼少時からそのような態度を取らざるを得なかったのは誰でもない"周囲の大人がクソだったから”です。
自分より体格が大きい大人に向かって子どもが堂々と反論述べられるわけがないし、仮に実行できたとしても鼻で笑われたり「大人になったら分かるよ」と返されるのが関の山。
母の葬儀で「これからは姉のサキちゃんが頑張らなきゃね」と慰めという名の追い打ちをかける父の取り巻きなんてほんともう…。
必然的に自分で自分の身を守るしかない、殻に閉じこもるしかなくなった幼少時を過ごさせた、自覚を持たせた時点で"大人が全面的に悪い”んですよ。
そういった"成るべくして成った胸糞悪さ”を生み出した元凶がいるにも関わらず、「あの大人も色々あったんだよ」「父の気持ちを汲み取れなかったあなたも悪いよ」と囁いて来る結末が非常に気色悪いし、ただただサキが不憫です。
何がしたかったんですか、これ。
大人としての、親としての反省をちゃんと子どもに見せるべきなんじゃないですか。
それが実の娘なら尚更。
サキ同様、私もあなたを一生恨みますよ。

あ、渋川清彦さんの演技はとても良かったです。
みゅー

みゅーの感想・評価

3.0
インパクトのあるタイトルで気になっていた作品。

朝は弱々しく仕事に向かう父が、夜になると酔っ払って全然違う父となる。
それも嫌だけど、新興宗教にハマる母親も嫌。

タイトルから、もっと胸糞悪い感じかと思っていたので、それに関してはそこまでじゃなくて少し安心。
自分の家の普通が、周りから見ると異常かどうかなんてなかなか分かるものじゃないし、ちょっとした違いは各家庭であるだろうし、でもその普通によって家族以外の人との交流に支障をきたしたりするならそれは異常かもしれなくて。
難しいなと思った。
oki

okiの感想・評価

3.0
母親の自殺という暗いシーンでもポップな音楽‪w
飲んでも呑まれるな‼️
stalkaway

stalkawayの感想・評価

2.0
この世から消し去ってくれるものがあるなら、かなり筆頭候補として浮かぶ程度に「酔っぱらい」が嫌いだ。そのため、テーマ的にも観ていて辛い作品だった。
自らを見失うほど酔うような酔っ払いは、麻薬中毒患者と同じで同じ人間ではないとすら思っている。そのため、本作で描かれる酔っぱらいはヘベレケになる程度だが、「化け物」と呼ぶタイトルの付け方が秀逸だと感じた。
本作の中で化け物がどのように描かれるのかが気になったので、渋川清彦さんにかけて観ることにした。結果、松本穂香さんと渋川さんの演技が非常によく、なんとか最後まで観ることができた。
面白いがテンポの悪い吹き出し演出やファンシーなBGMで化け物の父親やDV彼氏などの重い要素を無理やりコミカルにしようとしている節があり気になった。
終盤、美談っぽくなりそうな雰囲気があるので気になったが、最終的に主人公が気持ちを吐露していて安心した。
ただし、EDが酔っ払いを肯定しているようで最後にイラッとしてしまった。
引きが足りない。
苦しい中にも明るい要素が少ない。思ってる台詞吹き出しで工夫されてるが、付き合う男がDV野郎でそれでも結婚?
ちょっと理解に苦しむ。
依存する家族ということでしょうか。
母は宗教、父はお酒、長女は恋愛に。
父親が会社でのお付き合いとはいえ苦手なお酒を克服するなら、毎日泥酔するまで飲む努力する必要はないですよ。

母の自殺まではポップに見れたのでそのままのテンポでサクサク演出するべきだった。
shio

shioの感想・評価

2.5
誰にも共感できなかった
コアラのマーチ買ってきたり、借金してまで友達を助けてあげたりするところをみると、悪い人ではないとは思うけど
アルコール依存の父親に育てられた娘視点。死後に父親の優しさに気がつく。

テーマは分かりやすいし、想いは理解出来るが映画作品としては弱い気がする。シナリオに深みを感じない。

役者はそれぞれ良い感じなので残念。
realiser

realiserの感想・評価

3.7
オープニングからコミカルで、あっ面白そう!と思いながら軽い気持ちでみはじめたら、中盤から重かった…!最後は涙…

お父さんの酔い方酷いし、家族の苦しむ姿も辛くてしんどかった。
でも家族とすれ違う気持ちは共感して、こんなふうにならないように気をつけないとなと…反面教師だな、、

最初と最後のシーンが繋がるところが好き。
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