ミステリの女王アガサ・クリスティ『ナイルに死す』のリブート作品。
閉ざされた空間で次々と殺人事件が起こる。犯人はこの中にいる!という、クローズドサークルものの原点。今でこそ擦られまくっているのでちょっとオチが予想できてしまうところはあったものの、原点にして王道の作品にそれを言うのは無粋というもの。
映像美は素晴らしい。ナイル川に浮かぶ豪華客船は優美で趣がある。1930年代が舞台ということもあり、わざと昔風に撮られているようなところも随所あった。ノスタルジックの演出だろう。既に開発され尽くしたエジプトでのロケが難しかったのか、少し合成っぽさのわかる部分があったのは残念。
主演女優ふたりの美しさには度肝を抜かれる。強い女性に定評のあるガル・ガドットと眼力新人のエマ・マッキー。両者一歩も譲らない見事な迫力だった。
にしてもケネス・ブラナー、エンドロールで初めて知ったけど監督もやってるんだね。多才で羨ましい。