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ナイル殺人事件のoden8のレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
4.3
"あなたには愛が分かる?誰かを愛したなら。たとえ何が起きようと、愛し続けるものよ。どんな欠点も気にならない。魅力にさえ思えてしまう。何があろうと愛してるわ。"
"簡単だわ。口ひげを生やすの。"
by カトリーヌ

"愛こそすべて。愛にはルールなどない。"
by リネット

"激しい愛は消え去らない。彼を愛してる。狂おしいほどに。私の愛は止められない。たとえ一瞬でも。"
by ジャクリーン

"悲劇を歌うのは簡単よ。罰したい人を想像し、恋をさせればいいの。"
by サロメ

"あなたに分かるものか。人は愛のために何でもする。"
by ポアロの友 ブーク

探偵モノというよりかは、ラブラビリンス。サスペンスの迷宮よりも、愛憎の深みに心がザワつく作品。
それぞれの愛憎について、こと細かく深堀する様な描写があるわけじゃないけど。彼ら彼女たちが発する台詞が、その重さや根深さを物語ってくれてるよね。

愛することを捨ててしまったポアロに対して、愛に生きる人たち。彼女たちの言葉と想いが、ポアロの閉ざしてしまっていた愛の記憶を不本意にも覚醒させるのね。その時のポアロの表情が切な過ぎるのですよ。
そして、僕は強く感じるのです。愛することを自ら止めしまった人ほど。ホンマは愛に飢えているし。心の奥底に隠している愛情はものすごく深く熱いのではないかと。それと同時に、犯罪を隠し通せないように…愛情もまた隠し通せるものではないのかなぁと。
ポアロの人に対する不器用さが、観ていて痛いんだけど…めっちゃ親近感を覚えちゃうよね。

白を基調とした客船の中で描かれる、多彩で混沌な愛。川底に隠しても浮かび上がる証拠と、隠しきれない愛。愛の強さが悲しすぎる結末。

名探偵にも
解決できないもの
永遠の愛
川の流れの様に
愛は止まらない
ピラミッドの様に
朽ちることのない愛
名探偵の目に浮かぶ
雫の輝き

"かつて、恋の病を患った。そして、一生悔やみ続けている。"
by ポアロ

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 4.5
Architecture(構成) 4
Picture(画) 4
Acoustic (音) 4.5
24-20
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