キングジョー

アーミー・オブ・ザ・デッドのキングジョーのレビュー・感想・評価

3.9
久しぶりに無条件に面白いゾンビものでした。ワクワクがとまりませんでした。こういう娯楽映画は最初の5分が勝負ですが、さすがザック。分かってます。無駄に時間をかけません。では、ほんのさわりだけ。
まず、登場するのは新婚の男女二人。男はハゲのチンチクリンですが、女はグラビアモデルから連れてきたであろうパツキン、長身、巨乳のエチエチガール。この時点で、もうすでに世の男どもに夢を与えてます。この二人がアメリカンなセダンにカンカンをいっぱいつけて旅立ちます。対して軍事基地からフォー・ホースマンと呼ばれる四台の車両が出発します。何か重要な軍事機密の荷を運んでいるようです。
このフォー・ホースマンという単語、『ヨハネの黙示録』に記される四人の騎士で、小羊(キリスト)が解く七つの封印の始めの四つが解かれた時に現れるそうです。四騎士はそれぞれが、地上の四分の一の支配、そして剣と飢饉、病と獣により、地上の人間を殺す権威を与えられているそうです。つまり、ソドム化(ベガス)した人類滅亡の象徴です。
この何の接点もなさそうな二つの集団が路上で交差します。なぜなら新郎が新婦に車内フェラをしてもらっていた為、運転を誤ってフォー・ホースマンの車両群に突っ込んだからです。なんと陳腐にして分かりやすいホラー映画の王道!車両の衝突も、半端じゃないです。車にクラッシャブルゾーンなんて物は存在しません。ナパーム弾級の炎と爆破の演出がされています。素敵。
そして、破壊された車両からゾンビの感染源となるゾンビの王が逃げ出すわけですが、このゾンビ。なんと知性があります。『死霊のえじき』で世界中を愛と感動の涙で包んだあのゾンビ!バブが帰ってきたのです!
エメリッヒ映画のように最初だけ、というんじゃなく最後まで盛り上げてくれるザックの手腕も見事。