あわじゅん

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢のあわじゅんのレビュー・感想・評価

4.0
寡黙で不器用で人嫌いの男。

鳥や風や木々の声をこよなく愛す。

自分の信念は曲げない、努力は厭わないひたむきな姿は胸にぐっとくる。

人から誤解を招くがそんなこんな事は気にしない。

身なりにも拘らない。

家族に深い愛情を注ぐがかといってベタベタした愛情ではなく、海の底のような静かな深い愛。

妻に、娘に、息子に。

時は残酷で彼からそれさえも奪って行く。

彼の優しき理解者、局長夫婦に支えられ、見守られてパレスは膨大な時を超え完成する。

実に感動的で救いがある物語です。