シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢の作品情報・感想・評価・動画配信

「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

<宮殿造りに捧げた頑固な男の人生>

フランスの重要建造物に指定され、観光地になった「シュヴァルの理想宮」は、郵便配達員の手で33年をかけて建造された。
そのきっかけが面白い。
石につまずき掘り起こしてみると、そろばん玉が重なったような奇妙な形をしていて、カンボジアのアンコールワットがひらめき、娘のための宮殿を造ることに。
その基礎になるのは、趣味である異国の絵ハガキなどから得た多様な文化、山村を歩く仕事で得た自然からの学びで、それに娘が願うであろうおとぎの国が加わり、奇抜な空想めいた世界になっている。
特に建築知識を有するわけでもない主人公が、これだけ強固で美しい建造物を作ったということは、それなりの潜在能力と学習努力があってのことなのだろう。
宮殿に刻んだ言葉「目標を成し遂げるには頑固であれ」、然り。
フランスの田舎の風景が美しく、徐々に形作られていく宮殿の映像も見事である。
当初、凄いセットを作ったものだと感嘆したが、後に現存する理想宮で撮影し、建設途中の場面はCGで部分消去したことを知り、納得した。
物語は、無口で偏屈で不器用な男が、娘のため、自分の夢の実現のために取り組んだライフワークと、それを支える夫婦愛、家族愛が美しく描かれる。
男には狂気にも似た一途な情熱が宿り、妻にはそれを支える強い意志が見える。
何より二人の静かに秘めた愛が感動を呼ぶ。
ただ、娘、息子、妻と次々に亡くす主人公の悲哀、傍には狂気にしか見えない男の執念や生き様、それらがあまりに淡々と描かれていて、ドラマとしてはやや物足りなさも感じた。
とはいえ、人も風景も素朴で美しい、静かな感動作であることに違いはない。
※映画のあらすじはブログ『偏愛的映画案内』をご覧ください。
ひつじ

ひつじの感想・評価

5.0
映画を観て、こんなにも愛おしい気持ちになったのは初めてです。

シュヴァルの理想宮。
いつか行ってみたいです。

“目標を成し遂げるには頑固であれ”

不器用でも、コミュニケーションが下手でも、苦手が多くても、真っ直ぐ生きようと思いました。
NaotoOno

NaotoOnoの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

フランスの田舎町で郵便配達をしているシュバルという男の一生を描いた物語。

毎日せっせせっせと山越え谷越え郵便配達に勤しむシュバル。
南仏の畦道を歩いていたある日、謎の石に躓く。

そしてその石の不思議な形を見て彼は思う、
「娘のために、宮殿作ろ…‼︎」

謎が深い決意を下した彼は、何言い出してんだこいつ的な反応をする妻を尻目に宮殿作りを敢行。

時代はドレフェス事件が起こった頃なので世界が戦争の世紀と呼ばれる激動の20世紀に歩を歩めていく頃だが、世界の不気味な脈動は彼の元までは届かない。
最愛の娘によってこけら落としがなされる宮殿の、音にならない甘美な音が通奏低音として彼の肢体に響き渡り、突き動かしめる。

雪がしんしん降り注いでも、風が吹き荒んでも、一面のひまわり畑に燦々と太陽が照りつけても、とにかく配達後に宮殿を作り続ける。

そうした刻苦精励を33年間という目がくらむほどの莫大な時間続けた末に出来た宮殿は、彼の不器用な愛の形を象徴するかのようにシュルレアリスティックで歪な形をしているが、それと同時に彼の高潔さを荘厳な輝きの中に燻らせる。

ついに彼は終生の夢を成し遂げた。

愛する人に体の全てを使って捧げる讃歌としての宮殿。

言葉にならない感嘆が周囲を包む。

ところが諸行無常であるのが世の慣わし。
そんな偉業を遂げた彼にも衰亡の兆しは刻々と迫る。

やがて時を経て迎える死の床で彼は一体何を思ったのだろうか。
妻への、娘への、息子への言い尽くせない想いは驟雨となって彼の身をしとどに濡らし、深い観想の下で息を引き取ったのかもしれない。

そしてその想いは、南仏の野に屹立する宮殿に、観るものを魅了してやまない薫風となって世世吹き抜けるのだろう。

これが実話だというから驚きだ。
うさま

うさまの感想・評価

4.3
実話だとは
造り創めたのも結構年とってからみたいだし、あの手の感じとか石を梯子で持ち上げてるところとか、もう、、見てると痛々しい感じなんだけど
バカか変人か天才か...
他人からどう評価されようと関係ない生き方ってなかなかできない
後半の家族の理解や愛がじーんときた
感情を表に出さない、どう人と接っするのかわからない郵便配達員シュヴァル。

唯一愛娘アリスのストレートな愛情表現ににより、ほんの少し表情がでてお喋りができるように。そんなに愛しい娘のために宮殿を作り始める‥

シュヴァルを取り巻く人達が皆んな良い人。シュヴァルは無口で頑固だけれど皆んな彼の生き様をみて尊敬してるんですよね。
孫娘までも‥ずっと代々繋がっていくんでしょうね。
最近そんな事を考えてしまいます。
年老いたらシュヴァルの様に優しい眼差しでありたいと思ってしまいます。
寡黙な男シュヴァルが33年の年月をかけて1人で宮殿を造った。
これが実話で今もフランスにこの宮殿が実在することに驚きです。

多くは語らず、不器用だけど意外と頑固。
そんな郵便配達員の彼がなぜ宮殿を造るに至ったのか、そしてその末路を見届けるうちに彼を少しは理解できました。

一つのことを成し遂げる力ってそうそう身に付かない。
筋トレもすぐやめちゃう自分にはできて小さな公園の砂場でつくる宮殿ぐらい。

永遠にも思える宮殿造りとそれを支える妻の姿がよかったです。
きぃ

きぃの感想・評価

4.7
頑固だけど誠実
そんな彼を理解して愛してくれる人たちがちゃんといて

いつの時代も生きにくい
だからお互い歩み寄って心を支え合って生きていくために結婚するんだな
相手の心を守るための結婚ならしたいなと理想を感じさせてくれた作品

夜のシーンは鳥肌がたつくらい美しかった
ねり

ねりの感想・評価

3.6
これが実話なんて信じられない、、
郵便屋さんが1人で宮殿を建てる?
30年間もひたすら…?

っていう気持ちが観終わっても残る。
あの宮殿の迫力を観たら余計に。

人間ができることって本当にすごい。

観始めは、「子供引き離したあとの再婚早くない?」とか思ったり、本人全然喋らないから「ついていけないかも…」と思ったけど、1番最後、アリスがダンスに誘いにくるシーンでは何かジーーンと押し寄せてきた。
口下手でコミュニケーションが不器用で、でもコツコツと生きるシュヴァル、並大抵じゃない。
それを支え続けた妻もすごい。

絵葉書の写真を撮るシーンは
それまでシュヴァルを観てきた観客のすべてが
可愛い…!て思ったことでしょう😌



最近は自分の不得意なことばかりが
目の前にたくさんあるように感じるときがあって、
悲しい気分にもなったりしますが、
自分の気持ちをしっかり掴んで
誰かを想ってひたすら行動すること、
そういうやり方もこんな素敵な物語になることを教えてもらえました。
mimicot

mimicotの感想・評価

4.0
夢を見ているように美しくて愛が溢れている作品だった。
田舎道にポツンと1人の郵便配達人。人付き合いが苦手で寡黙な主人公は愛し方がわからなくて、石を積み重ね娘のために愛の小さな宮殿を建てる。暖炉の炎が美しい。窓の外は雪..石を積み重ねる主人公。
いつもこわばった表情が家族にだけ緩む時がある。よく見ると瞳が笑ってる。私までほっこり。
他人から何と言われようが寄り添う家族。妻の深い愛と娘の言葉にじーんときました。

取り憑かれたように宮殿にかけた33年。今も朽ちることなく名所となっていることが嬉しい。
こういう人のことを天才というのですね。感動しました。
~30分

何してんの?

~60分

…ウソやん…


~ラスト




良作でした
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