YuhkiBegona

主戦場のYuhkiBegonaのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
5.0
このフィルムを作成・上映した監督ミキ・デザキに深い敬意と感謝を表す。命すら奪えると言っても過言ではないくらい強大な権威と闘い、真実を伝えることを諦めなかった彼の所業は、今の世の中に真に必要であると感じる。

"右か左か"の前になぜ"その人の人権が保護されているか"が無視されてしまうのか?そこに怒りを覚えてならない。正しいことが正義なのか?そもそも正義とは何なのか?誰にとっての、何のための正義なのか?

この作品を観ていると、自分が今まで「知っている」と思っていた概念が完全に崩れる。良い意味でも悪い意味でも。ナショナリストを自らの意志で降りた方が出演されていた。その方は、「正しい」と信じていたことに対して疑問を持ち、そこから価値観を変えた。すごいと思った。

「知っている」や「できる」や「正しい」は、それを自分に言い聞かせた時点で前進が止まる。前進を試みる人があらゆることに疑問を持ち、最適解を見つけるために物事に関心を持つ。自分の言うことが間違っていない、と根拠のない主張を声高に言うのは、変化・前進に対する怠惰を自ら主張しているのと同じである。聞いているこちらが恥ずかしい。そんな人たちが率いているこの国に、憂いを持たずにいられるか?無理だろう。

これからも私は私ができる形で闘う。その意志を改めて思い起こさせてくれた作品だった。
YuhkiBegona

YuhkiBegona