メンターム

主戦場のメンタームのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
4.6
サンフランシスコと大阪市が慰安婦像の設置を巡り姉妹都市連携を解消した問題…徴用工が日本に補償金を迫っている問題…日本人的には蒸し返したくない問題が噴出し、右じゃなくても日本を擁護したくなっていたこの時期にこの映画を観れたことは幸運だった。

日本や韓国の若者たちへの街頭インタビューは多少編集されてはいるだろうが、日本の慰安婦に対する歴史認識は甘い。私も平和記念資料館などでは見たが、中高の教科書でしっかり学んだ記憶はない気がする。それは本編の新しい教科書をつくる会の話にもつながってくるのだが…。

1965年に精算したじゃん、って私も思ってたんだけど、日本が慰安婦問題を認めたのは1992年で明らかに矛盾が生じているっていうのは知らなかった。でもやっぱりここからどうするかっていうのはまた別問題…

左派が「2000万人の被害者」とか誇張して民衆を煽るのも違うし、日本に都合のいい箇所しか採用せずにナショナリズムを掲揚して人々を洗脳するのも違うのは明らかなのに、なんで気がつけないんだろう…
徴用工の問題にしても私が読んでる新聞は、日本は韓国に対して確固とした態度をとるべきだ派だけど、そういう問題じゃないんだなぁと思ったよ…

安部さんなぁ…。岸信介なぁ…。友達と政治の話とかしないから周りの人がどう思ってるのかわかんないんだけど(それ自体かなり問題だと思ってるんだけど)、正直この映画を観て初めて反アベの気持ちがわかった…。今まで本気で考えてもわからなくて、でも周りの大人はみんな反アベで、わからない自分でが嫌で泣いてたんだけど、岸信介までしっかり遡ればその体質が浮き彫りになるんだね…。

ま~ちょっとトランプを手厚くもてなしすぎだよね。で私もそう思ったらデモでもすればいいのにね。しないのよ。そして気づいたら手遅れかもしれないね。

本編に出てきた女性で、昔は右派だったけど思想が転回した方の言葉「日本の過ちに気がついたら敵がいなくなって、自由になった」が印象的だった。

私が小さい頃から慰安婦問題のニュースは絶えなくて、それこそラスボスの「なんでそんなに興味を持つの」なんて思ってたけど、映像のパワーはすごいね。すんごいバカそうだったもんね。

無知だったことは否めなくて、でももう知れたので明日から世の中の見方を変えられそうです。多くの若者に観てほしい。