Binchois

主戦場のBinchoisのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
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慰安婦論争を遠目に見ながら考えていたのは、凌辱された女性たちの存在があまりに薄くないか、ということだった。本質的には国と国の対立ではなく人権問題である、と作中で挺対協の女性が語っていたとおりだ。だからこそ、強制連行の有無を問わず、忘れてはいけない歴史であるはずだ。

それがどうした、街頭の若者たちは、「イアンフを知っていますか?」と訊かれてもキョトンとしている。背筋が凍った。天安門事件を歴史から抹消した中共と同じじゃないか。まったく笑えない。

ネオ右翼論客(?)とされる人たちの、人権意識の低さに唖然としてしまう。こういう人たちが人権問題であるはずの慰安婦問題の議論で主導権を握ってしまうのは、やはり不健康と言うしかない。
訴え出た者を執拗に叩いて潰せば、歴史はなかったことになる。我々はいま、歴史修正の途上にあるのだ。
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