みおこし

日本誕生のみおこしのレビュー・感想・評価

日本誕生(1959年製作の映画)
3.5
東宝が1,000本目の記念作品として、当時持てる力を全て発揮して創り上げた、182分の超大作。古来から伝わる日本神話を豪華キャストと円谷英二監修の特殊効果とともに再現し、伊邪那岐・伊邪那美の2人の神が日本を産むところから日本武尊(ヤマトタケル)の物語に至るまで描いています。

ひゃくはちじゅうにふん、って気が遠くなるくらい長い(笑)。しかし、今から63年も前に製作されたとは思えないほどの圧巻の映像が続き、円谷英二がいかに世界的に優れた特殊技術のプロフェッショナルだったかを痛感させられます。人々を襲う洪水や溶岩流のシーンは特にすごい迫力で、なんと10トンもの水を使ったり、大量の土砂を積んだトラックで人工的に地面を引っ張って実際に生身の人間を落としたり…と、とてつもない労力とリスクを駆使してこのスケールを再現したのだとか。本当にこの当時の映画撮影ってCGの概念がないわけなので、どれもけが人が出ていないかが気になっちゃうんですよね…。

気になるキャストですが、全盛期の三船敏郎さんが日本武尊と須佐之男の2役を熱演、もう少し若者のイメージを持っていたので少し違和感がありましたが、やはり強そうでカッコいい!杉村春子さん、田中絹代さん、香川京子さん、司葉子さんといった大御所女優さんが次から次へと登場するし、ちょっとした役柄であっても加東大介さん、小林桂樹さん、鶴田浩二さん、志村喬さんなどがひょっこり出てくるという、邦画史上まれにみる錚々たるキャスト。当時東宝映画に出ていた全てのスターが出てくると言っても過言ではないのでは?
極めつけは、天照大神役の原節子さんの貴重な出演!!かの有名な天岩戸の神隠れのシーンは本作の中でもハイライトの一つで、彼女が出てくるように八百万の神々が飲めや歌えやの大騒ぎをするシーンでは、天宇受女命 役の乙羽信子さんの激しすぎるダンスを観ることができます。
八岐大蛇退治のシーンも迫力満点ですが、お顔が結構可愛くて全然怖くなかった(笑)。
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