けーすけ

いつくしみふかきのけーすけのレビュー・感想・評価

いつくしみふかき(2019年製作の映画)
3.7
同じ血を流して生きる。

まさに"悪魔"と呼ぶに相応しく、善人ぶった態度や鬼気迫る表情で人に近付き金を巻き上げるクズっぷりや、陰ながら息子を想い父親の役目を果たそうとする優しさなど、広志を演じる渡辺いっけいさんの凄さに打ちのめされる。

一人では何も出来ず生きる意味を見出せない息子:進一との邂逅。衝突、憎しみ合いながらも、空白の時間を埋めるように二人は互いに寄り添い一歩ずつ前へと進み行く。

惨い現実ばかりで悲観するだけではなく、最後は湯船に浸かっているような温かな安らぎを感じられた。

広志の「迷える子羊です」に対して「ジンギスカンにしてやろうか」という返しをする牧師には笑ったし、その後二人で焼肉を食べるシーンは良いね。
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