ふぁいぽ

いつくしみふかきのふぁいぽのレビュー・感想・評価

いつくしみふかき(2019年製作の映画)
4.6
父親のせいで子供のころから悪魔の様に言われて育った信一。 時として母親からもそんな言葉を投げかけられる。
自己肯定感等持てるはずもなく、自分の居場所なんかない。 閉塞的な小さな町だけになおさらだったろう。
信一には何の罪もないのに、残酷としか言いようがない。

悪魔と言われる父は、人をだます事なんかなんとも思わない極悪非道な人物。 そんな広志が自分の子供と一緒に暮らす事で 少しずつ少しずつ気持ちが変化していく。 それでもダメダメ人間ではあるが…そんな広志をいっけいさんが好演。 圧倒的な存在感だった。

人を許す…そんな事たやすい事ではないし、一生許したくない人もいる。 けど、許すことで前を向ける。そう思わせてくれる。
信一が父広志を完全に許せたわけではないと思う。 が、父の存在を受け入れたんだろうなって思う。 二人が浴槽に入っている、ポスターにもなっているシーンは凄く好き。 ずっと心に残るような映画だった。

初めての監督でこんな素晴らしい映画を作ってしまった大山晃一郎監督 。 そしてスタッフの人達。 お金が無い中協力してくれた沢山の人達。 ホントに素晴らしい作品をありがとうと言いたい。