kensyo

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘のkensyoのレビュー・感想・評価

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)
3.7
どんどんMCUっぽくなるシリーズ3作目。

珍しい不二子の対人格闘アクションが見られるのが楽しいです。
ルチャ・リブレっぽい動きとか、ブラック・ウィドウの影響があるんだろうなーと思って観てたら劇中に「それ、ワカンダ製ですよね?」っていうまんまバッキー・アームまで出てきたのはちょっと笑ってしまった(悪い意味ではなくて、日本のアニメもハリウッド映画に影響を与えてるし、こう言った表現のコンテキストが見えるのは楽しい)。

アクション表現の他にカット割とか、色々ハリウッド実写映画からのフィードバックがある気がする。

いつも嘘をつくキャラを主人公にして「峰不二子の嘘」なんてタイトルをつけるということは「峰不二子の真実」に光を当てているんだろうなと想像しつつ見てました。
が、結果そこまで深掘りはされてなかった印象でした…もうちょっと「嘘」に深みがあってもいいんじゃないかなという感想。

「LUPIN THE IIIRD」シリーズ全体として洒落た台詞回しをしたいんだと思うけれど、その割に説明的なセリフが多すぎてちょっと空回りしてる感じがしちゃう。

これも劇場3作通してだけれど、絵がイマイチ綺麗じゃないっていうか荒い感じがする。
深夜枠のTVアニメだったという「峰不二子という女」シリーズの方がむしろ特徴的な絵柄が成功していてカッコ良かった。

服装とか車とか、けっこう前の時代設定なんだろうなと思うけど、ジェルネイルっぽい爪にグラデの巻き髪とかちょっとこなれ感のあるアップとかアシメのパッツン前髪とか、目尻のアイシャドウとか、キャラのデザインは最近のファッションに寄せてる気がする(キャラデザは時代考意識してないっていうだけなんだとは思うけれど)。

サブキャラだからなのか、次元大介が珍しくカットソー姿とちょっとラフ。(それほど似合ってはいないけれど、今作は次元にとって正装するほどではない、オフの作品、ということを表しているのかなと思った)
でも、一瞬だけど「早撃ち」が活躍してたのは満足。

同シリーズ一作目から一貫して最後に「引き」を作るサービスカットがあってそれ自体は楽しいんだけれど、これ、ちゃんと伏線回収されるのかな…。
(時系列を明らかにしてないのがレトリックで、背後が誰かってのはつまり一作目のあれ、っていう事で終わりなのかも知れないけど…)
kensyo

kensyo