このレビューはネタバレを含みます
美しさと狂気、という組み合わせはありがちだしそれらについて特筆することはない。
この作品の起伏のなさを保っているのが長いものに巻かれていく過程そのものということがゾッとする。まさに、深淵をのぞく時…と言える。作品としてのゴールが作外にあって、つまり観客を巻き込む形で完成するものとして作ったのであれば見事だと思う。
作品に登場する人々の心情や行動、そして信仰についてとやかく言うつもりはないが、村での死が"意味のあるものだ"と観客に体感させるための「手段」として妹の自殺を利用していることだけは受け入れ難い。