このレビューはネタバレを含みます
観た後、面白いとか面白くないとかでなく、
「すごい物を観た……！」
と言うのが一番に来る。
これはホラーなんだろうか。
結果だけ見るとホラーかもしれないけれど、
絵にも描けない何とやらとは、
まさにこの映画の事。
気になっている人は、
他人の評価で見るかどうか決めるより、
自分の目で観て確かめた方がいい。
観る前は「ディレクターズカット版はいいかな」
と思っていたけど、
観た後俄然ディレクターズカット版観たくなる。
序盤の不穏のシーンは、
これから不穏になりますよーという
前兆作ってからの不穏なので、
ホラー初心者にも優しい。(？)
(でもグロい)
ダニーは家族を失い、
死生観ぐらぐらの所であれ見せられるとか、
自分なら失神するわ！
もう、ともかくコミューン内の同調圧力怖い。
号令で動きを決められ、
延々ポールの周りを回り続けるダンス。
一見共感してる様に見せかけて、
大勢で呼吸や声を合わせる動作。
これらは個人の感情や思考をうやむやにさせる。
コミューンで生きるという事は、
個人で生きていくのではなく、
共同体として生きるという事を、
嫌でも分からせる様なやり方。
(コミューンの同調圧力と相互監視は、
現代社会に通ずる物あり過ぎる。)
不穏なシーンがありながらも、
視覚的に美しいシーンが続くが、
気づけば1人、また1人といなくなり、
これってひょっとして、と思った時には、
物語がもう後戻り出来ない所に来ているのが見事。
ラスト、ダニーがめちゃくちゃへの字口で笑った。
そりゃ、への字口にもなるよなあ。
でも最後の最後で自分で決めた選択で、
笑顔になる狂気……。
見終わった後に、公式サイトの解説読むと、
よりこの世界のこだわりに触れられる。
